八戸市でも全ての小中学校を校内全面禁煙に!

小児科医 久芳康朗

 六日の紙面で八戸市立長者小学校が来年一月から校内全面禁煙になるという記事を読み、我が意を得たりと大変うれしく感じました。伊藤校長をはじめ教職員およびPTAの皆さまの英断に心から拍手を送りたいと思います。さらに、深浦町では屋外たばこ自動販売機の撤去条例に続いて来年度から町内の小・中学校が全面禁煙になり和歌山県では県内すべての公立学校を全面禁煙にするというニュースも伝わってきています。

 本来であれば、一人の校長や一部の地域の「英断」を待つまでもなく、全国どこに行っても当たり前のことになっていなくてはいけませんでした。子どもたちが毎日生活する場である学校が完全禁煙でなかったこと自体に、世界的にみて遅れていたわが国の禁煙教育の現状を感じざるを得ません。

 しかし、この地域における着実な一歩は大きな流れとなって全国に伝わっていくはずです。その時に、長者小学校や深浦町は歴史にその名を残すことになるでしょう。

 教職員の中には反対の声が残っているかもしれませんが、伊藤校長の「子どもたちの空間で子どもたちのために働いている以上、何を優先しなければならないか」という理念をご理解いただいた上で協力をお願いしたいと思います。

 そして、長者小学校の取り組みを一校だけで孤立させてしまわないために、この機会に市内のすべての小中学校を全校禁煙にするよう、中村市長および教育委員の方々にお願いします。この取り組みには予算は必要ありません。そして、得られるものは、子どもたちの健康的な生活なのです。

『デーリー東北』こだま欄投書 2001.12.12 投稿、2001.12.15 掲載

ニュース

 2003年5月の健康増進法施行により、青森県内の県立高校など全県立学校と、八戸市立小中学校全校の敷地内禁煙が実現することになりました。(2004年4月1日より実施)
 遅きに失した感はあるものの、私たちの主張がやっと認められて現実となりましたが、まだまだ「無煙環境の実現」には道半ばですので、今後もご支援の程よろしくお願いいたします。

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