「三八地区で喫煙・禁煙問題を考える会」〜とくに、女性と子どもをタバコの害から守るために〜 2002.6.8 終了

開催報告

20020608.jpg  6月8日に八戸市公民館で「喫煙・禁煙問題を考える会」(青森県保険医協会三八支部と青森県喫煙問題懇談会の共催)が開催された。喫煙問題に対する三八支部としての具体的な取り組みは今回が初めてであり、弘前市の蓮尾豊先生(弘前レディスクリニックはすお)を招いて「女性と子どもをタバコの害から守るために」と題してご講演をいただき、その後、青森県喫煙問題懇談会会長の木村茂先生(社会福祉法人やすらぎ苑)から「タバコ税収のまやかしと医療職の喫煙について」のご発言があり、私(久芳)が「小児科医の立場から」取りうる対策について意見を述べ、最後に出席者との活発な意見交換が行われた。
 蓮尾先生は、喫煙が妊婦・胎児に及ぼす影響として、流早産や低出生体重児、乳幼児突然死症候群 (SIDS)、注意欠陥・多動性障害 (ADHD)、知能・身体発育などについてわかりやすく説明し、10代の妊婦における喫煙率の高さを強調した後、妊婦や家族の禁煙、そして受け入れ側の産婦人科・小児科をはじめとした全ての医療機関の禁煙を強く訴えた。
 また、木村先生は、タバコ会社が子どもをターゲットにした戦略をとっていることや、タバコによる社会的損失は5兆6千億円、うち医療費が3兆2千億円にのぼり、税収の2兆8千億円を大きく上回っているという事実を政治家や首長は知らないことなどを力説された。地域におけるタバコ自販機の実態や、学校禁煙化の支援、喫煙者やタバコ農家を敵に回さない戦略、マスコミの功罪などについて私からも提言を行った。
 参加者からは、医療関係者の禁煙対策についての意見や、学校保健委員会が開催されず学校医が防煙教育に参加できていない現状についての意見などが寄せられた。
 大人や社会が「子どもたちにはっきりとタバコの害を言えるように」(蓮尾先生)することが大切であり、学校やPTAなどの場で親や教師、地域社会の意識を変えていくことの重要性を再認識させられた。取り組みが不十分だった医療機関の禁煙化について、協会でも調査・啓蒙をすすめ、禁煙外来や禁煙医療機関の情報を公表していくことも必要と思われた。
 今回は関係機関の協力もいただけたが出席者は30数名にとどまり、今後は個々の取り組みだけでなくネットワークを組んで連絡を取りながら進めていく必要性を感じた。 (青森県保険医新聞に掲載)

講演資料

新聞記事


「三八地区で喫煙・禁煙問題を考える会」開催のご案内
−とくに、女性と子どもをタバコの害から守るために−

青森県喫煙問題懇談会会長 木村  茂
青森県保険医協会会長   河原木俊光

 わが国の禁煙対策は世界から20年以上遅れていると言われている中で、若い女性と未成年の喫煙率はむしろ増え続けています。妊娠中の喫煙は、低出生体重児や早産・流産だけでなく、乳幼児突然死症候群(SIDS)の最大の危険因子であるにもかかわらず、県内のある調査では、妊婦の3割が喫煙し同居者の喫煙も約7割に上るという深刻な現状が浮き彫りになっています。

 今回、女性と子どもの喫煙防止と禁煙支援を一つの切り口にして、地域で禁煙支援に取り組んでいる(あるいはこれから取り組みたいと考えている)方たちが一同に会して、この問題について学習し情報を交換する機会を設けさせていただきました。地域でネットワークをつくり互いに連携しながら取り組みを進めていくための出発点にすることができればと考えています。

 医師・歯科医師のみならず、指導に直接携わる助産師、看護師、保健師、薬剤師、歯科衛生士の皆さんや、地域で禁煙をすすめている方たちにも多数ご出席いただければと希望します。もちろん、禁煙したいけれどもできないでいる喫煙者の方の参加も歓迎します。

日 時:2002年6月8日 (土) 16:00〜18:00
会 場:八戸市公会堂(公民館会議室1.2.3) 八戸市内丸1-1-1 0178-44-7171
参加費:無料 (参加申し込みは不要ですので、直接お越し下さい)

座 長:竹本照彦先生(八戸生協診療所 所長)
講 演:「女性と子供をタバコの害から守るために」
講 師:蓮尾 豊先生(弘前レディスクリニックはすお 院長)

ディスカッション 司会:久芳康朗

  1. 指定発言
  2. 自由討論

主催:青森県喫煙問題懇談会  
青森県保険医協会三八支部


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