■ くば小児科クリニック 院内報 1996年7月号
●夏かぜの季節です

 毎年この季節に流行るヘルパンギーナ手足口病やその他のウイルス性の夏かぜが目につくようになりました.これらのタイプは,熱は結構高くなりますが抗生剤などがなくても数日で下がってきます.他の症状はあまり無いことが多いのですが,脱水にならないよう水分補給に注意が必要です.熱性けいれんや髄膜炎の疑いがありそうな場合はすぐに連れてきて下さい.
 ついでながら,「おふろに入れたら熱が出てしまった...」,うちに通ってもらってる方はこんなふうに何事もネガティブに考えるのはよしませんか.こどもはいつもお風呂に入るし,寒い日も暑い日も外で遊ぶし,布団をけ飛ばして寝るし,かぜをひきながら抵抗力をつけて大きくなっていきます.かぜをひくたびに何か悪いことをしたかのごとく「かぜをひかせてしまったー」と考えていたら身が持ちませんよ.(→病気のときのお風呂


健康小児科だより 〜 今月は家庭での事故防止について一言

 こどもが小さいうちは家庭での事故には気をいただいていると思いますが,でもちょっと目を離したスキに思いがけないことがおこったりします.たばこ誤飲で来院した方はきまって「いつもはちゃんと始末していたのに」と言うものです.家庭でのチェックシートを置いておきますので一度チェックしてみて下さい.
 ここでは,特に頻度が高く重大な事故につながる可能性のある次の3つについて書き出しておきます.それぞれ大切なことですが一度に書ききれないのでいずれ詳しく触れられればと思います.

1.車にチャイルドシートやベビーシートを装着していますか
 大人がシートベルトをして赤ちゃんが何もしていないということは,もしものときに自分たちは助かって赤ちゃんは犠牲になってもいいということですよ.シートベルトで固定できない篭型のキャリーは×です.

2.おふろのお湯はためておかないように
 あまり知られていませんが,家庭での事故で最も危ないのが浴槽での溺水です.防災用に水をためておくというのは小さい子のいる家庭では×.

3.たばこはやめましょう
 これについては何も言うことはありません.今まで喫煙の悪習慣がついてしまった方も,こどもができたらキッパリとやめることにしましょう.もちろんお父さんやお祖父さんも含めて家族全員で.
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喘息・アレルギーひとくちメモ 〜 暑い季節のスキンケア

 この季節になると多くなるのは「あせも(汗疹)」「とびひ(伝染性膿痂疹)」そしてアトピー性皮膚炎でも夏場に悪くなる子もいます.これらに共通しているのは,皮膚についた汗と汚れ,それにブドウ球菌などの細菌感染が加わって症状を悪化させているという点です.また,ダニが布団で増殖する季節でもありますので一緒になって悪影響をしている場合もあります.
 この季節のスキンケアは何といっても入浴・シャワーで清潔を保つこと(これは他の季節でも同じですが).そのほかにも汚れたときにはこまめに洗ってあげるようにしましょう.塗り薬やスキンケア用剤はおふろの後には忘れずに.症状が強いときには朝晩の1日2回できちんと続ければ必ず良くなってきます.肌着やシーツ・タオルケット類もきれいに保つように.また,今年は冷夏かもしれませんが,真夏の寝苦しいときには夜間も除湿をつけておくとアトピーの子でもかゆみがひどくならずにすむでしょう.
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●スタッフからのメッセージ (第3回)

 皆さんこんにちは,事務の種市享子です.お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが,看護婦の久芳裕子の妹で20歳の頃は友達も間違うほどそっくりと言われましたが,今では髪型も変わりちょっと太めな方が私です.
 さて,私は高校を卒業してすぐに水産会社の事務員として昨年まで勤務し,出産のため退職して専業主婦として7か月程育児に専念した後,現在に至っております.同じ事務職とはいえ全く違う分野なので,我が息子を勉強材料にしながらの毎日です.患者さんの立場になって皆さんと接することができるよう心がけていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします.
 最後に一つ,保険証の内容に変更がある場合はもちろん,変わりない場合も月が変わって初めて受診したときに確認させていただきますので,必ず持参して診察券と一緒にご提示下さるようお願いいたします.


●こんな叱り方してませんか??

 「そんなに言うことをきかない子は注射してもらうよ」,待合室でこんな言葉を耳にすることがありますが,これだけは絶対にやめていただきたい.当院ではただのかぜや熱だけで意味もなく注射ばかりするようなことはいたしません.まして,懲らしめやしつけのために注射するわけがありません.相手は子どもですから,なるべく痛いことはせずにこわがらずに通って欲しいと心がけていますが,親がそんなことを言っておどかしていたのではどうしようもありません.そして,どうしても必要になって点滴したり採血したりするときに,泣きながらもじっと我慢してくれる子とどうしようもなく暴れてしまう子の間には,普段からお医者さんは注射をするこわいところだとおどかされていたかどうかの違いがあるのかもしれません.
 話を戻しますが,最初に書いたようなしかり方をする親は,電車でうるさくすると「隣のおじさんに怒られるよ」,お店では「お店のこわいおばさんに叱られるよ」と言っていることでしょう.そう言われて育った子どもが,自分自身の判断基準を持つことができずに将来いじめなどの問題をおこさないか,これはちょっと心配しすぎでしょうか?


●7月の診察と休診の予定

○ 休診日 :日曜・祝日以外はありません

○ 休診時間 :下記の時間は不在です
7/5 (金)13:30〜15時頃ツ反・BCG(湊小)
(この日の院内の乳幼児健診はありません)

○ 7/20(土)〜21(日)は不在のため時間外の連絡・診察はできません.

○休日夜間急病診療所の当番
7/13(土)19:00〜23:00TEL 0178-**-****
(この日は時間外の受付・電話応対はいたしません)


●その他のインフォメーション

○食中毒にはくれぐれもご注意を
 毎年この季節から秋頃にかけて食中毒が多発しますが,今年は特に多いようで,この原稿を書いている間にも市民病院で病原性大腸菌O157が検出されたというニュースが飛び込んできました.いたずらに心配しすぎる必要はありませんが,症状があるときには早めに受診するようにしましょう.予防法は報道などでなされているとおりですのでここでは触れません.

○待合室の新しい本
 「アレルギーに負けない」毎日新聞社,5月号で紹介した「小児ぜんそくを治す本」山本淳,「ひよこクラブ」「すくすく赤ちゃん」,「赤ちゃんが来た」「コドモ界のひと」,「ダヤン」シリーズ,ブルーナの絵本.

○八戸の育児情報誌を創刊しようと準備をすすめているグループがあり,当院でもこういった子育て支援活動にはお手伝いをしていきたいと思っています.スタッフを募集しておりますので,興味がある方や少しなら準備の手伝いをしても良いという方がいらっしゃっいましたら,当院広報担当の裕子まで声をかけて下さい.青森の育児情報誌「子連れ DE Skip」も待合室に置いておきますので参考にして下さい.
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○「ついでに聞きたいのですが...」,これは歓迎です
 かぜなどで受診したときに,普段からちょっと気になっていたけどわざわざかかる程でないような心配ごとの相談をされていくことがあります.当院ではかぜ以外の診療にも力を入れていきたいと考えていますので,このような相談は基本的には歓迎しており,混雑して待っている人が多くなければある程度はご相談にのれると思います.もしすぐに返答できなかったり他の科にかかる必要があれば,それなりに調べてどうするか相談して決められますので,お気軽に声をかけてみて下さい.

○駐車場にたばこの吸殻がいつも捨てられています.当院にかかりつけの方にはそのようなマナーの悪い方はいないと思いたいところですが,今後もし現行犯でみつけたら場合によってはレッドカードもあり得ます.

○「熱だけ」の電話には,残念ながら応じかねます...
 相変わらず「急に熱が出たのだがどうしたらいいのか」とか「坐薬を使ったのけど全然下がらない」といったことで問い合わせの電話をいただくことがありますが,熱そのものではなく続き方や他の症状の有無で判断して下さいと最初にお渡ししたパンフレットに書いておいたはずです.電話する前にもう一度見直してみて下さい.こちらは湊高台急病診療所ではありませんので,ご理解の程を.

○新しいパンフレット
「手足口病」「ヘルパンギーナ」「突発性発疹」
(先月書いた薬のパンフレットはまだできておりません...)

○遅くなってしまいましたが,ぜんそく教室をひらきます.日時未定だけど,ここに書いておかないとまたズルズル後回しにしてしまうので...


発行 1996年6月30日 通巻第4号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
kuba@qa2.so-net.or.jp
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