■ くば小児科クリニック 院内報 1996年6月号
●処方箋をメモしてみませんか?

 この院内報や初めて受診したときにお渡ししているパンフレットをA5サイズに決めた理由は,持ち歩くのに大きすぎず,いろいろ書き込むのにある程度のスペースがあることがひとつ.その他に,処方箋のサイズがA5なので,毎回2枚ずつ処方箋をお渡して1枚を一緒にファイルしておけば薬の情報を自分で持つことができるのではないかと考えたことが理由の一つでした.
 ところが,処方箋そのものをお渡しするのは現実的には難しいようですので,次善の策として,処方箋が発行されて薬局に提出するまでの間に,ご自分でメモをとっておかれてはいかがでしょうか.A5のルーズリーフなどを使えば一緒に綴じておくこともできます.
 もちろんカルテをみればこちらで出した薬はわかるのですが,自分の子どもにどんな薬が出されているのか知っておくことは副作用があったときだけに限らず必要なことだと考えています.他の医療機関にかかられるときにもお互いに困らずにすみます.
 また,これも準備が遅れていましたが,咳止めなどのかぜぐすり,下痢止め,抗生物質,喘息の薬,アトピーの薬などよく処方される薬のパンフレットを6月から順次作成して待合室においておきたいと思いますので,新しいものができていたらご自由にお持ち帰り下さい.


健康小児科だより

 6月はポリオ,7月はツ反・BCGと集団接種の時期になってきました.まだ済ませていない方は機会を逃さずに接種するようにしましょう.特にポリオは集団接種でしか受けられませんので,少し余裕を持って予定を組んでおきましょう.詳しい日時などは市の広報をご覧ください.
 ところで,集団接種ではかぜが治りきっていなかったり便が少し下痢気味といった場合にご両親も接種担当医もどうするか迷うことがあります.これらの症状があっても,かかりつけで接種可能という判断をされていればほとんどは問題なく接種できますので,心配な場合はあらかじめご相談下さい.
 予防接種と健診だけでなく,育児に関することなどもこのコーナーでとりあげていきたいと思います.今月は,乳幼児保健研修会の記事を別に書いておきましたのでそちらをご覧下さい.
予防接種のページ


喘息・アレルギーひとくちメモ

 6月に入り,暖かくなって湿気が多くなり,ダニが繁殖するのに絶好の季節がやってきました.ダニは温度が25℃前後,湿度が75%前後でエサ(人のふけなど)があると繁殖しやすくなるので,布団や枕はどこの家でもダニがいっぱいだと考えて間違いありません.ダニ対策は,乾燥させて高温でダニを殺し,掃除機で吸い取ったりこまめに洗濯するといったことにつきますが,実際には大変な作業できちんとやるのは難しいものです.
 比較的値段が高めなのですが,ダニアレルギーがはっきりしていて症状が続いている子には防ダニ布団をおすすめして良いかと思います.最近は通販などでもよくみかけますが,ものによっては薬を使っていたり効果がはっきりしないものもあるようです.もし希望があればいくつかの製品を紹介できますのでご相談下さい.また,ダニ対策のパンフレットもありますので希望の方は診察の時にお伝え下さい.
気管支喘息のページへ


●スタッフからのメッセージ (第2回)

 皆さんこんにちは.看護婦の北崎宏子です.看護学校を卒業してはや3年,まだまだ新米の私ですが,皆さんと一緒に勉強し,またいろいろと教えて頂きながら頑張っていきたいと思います.
 さて,診察の順番を待っている間にお子さんがトイレに行きたくなったら,受付または看護婦までお知らせ下さい.検査のためにオシッコを採ってもらうことがあります.その場合は尿カップをお渡ししますので,よろしくお願いします.また,検査のためだけでなく,トイレに行っているのを知らずにお呼び出しをしたり急がせたりということもなくなるかと思いますので,ご協力をお願いします.
 最後に,小児科という初めての分野で戸惑うこともあるかと思いますが,一生懸命頑張りますので,どうぞよろしくお願いします.


●「新しい育児支援を考える」 〜 乳幼児保健研修会 1996.5.26

 八戸市医師会の第5回保育園幼稚園医会記念の公開講演会が開かれ,札幌の天使病院の南部春生先生の特別講演とシンポジウムが開催されました.
 南部先生は「赤ちゃんに学ぶ子育て」などの著書でもお馴染みですが,今回は「子どもの現状を認識し乳幼児保健のあり方を考える」というテーマで話されました.内容をここに上手くお伝えできるかどうかわかりませんが,メモを元に少しだけ書き出してみます.
 「人生80年は長いがその3分の1は親や周囲のサポートが必要.子どもの生活はストレスに満ちており,家庭は楽しい生活の場でなくてはならない.発達の節目節目をきちんと理解してやさしく支えてあげることが大事で,親子関係の第1歩は赤ちゃんをちゃんと抱いてあげて母乳を与えることからはじまる.また,母乳育児に関しては今のジジババは人工乳で子どもを育てた世代であることを理解する必要がある.今までとちょっと視点を変えて子どもと対話し,受け入れ支えてあげることで,不登校などの問題があっても子どもは自然と立ち上がってくる.保育園をしつけの場にしてはいけない.保育園にカリキュラムは不要である」などといった内容を中心に,ユーモアを交えながら肩の力を抜いて子どもにやさしく自然に接する育児を強調されて1時間半の講演は終わりました.(上手くお伝えできなかった点は是非著書をお読み下さい.)
 後半は5人のシンポジストがそれぞれ,母親の立場から八戸での楽しい育児と八戸に欲しい育児施設などについて,父親からみた企業社会の中での父親の育児参加について,保育園の現場からエンゼルプランに関連して八戸での一時保育や地域に開かれた保育園を目指した取り組みと問題点,行政側から両親学級やちびっ子ルーム等の事業の紹介などが発表されました.司会の富田先生からは乳幼児だけでなく学童のデイケアの問題も提起され,しめくくりに南部先生が,どこの地域でもかかえる問題は同じで,それぞれの立場からニーズは多いが目標は一つであることなどが話されて終わりました.
 このような試みは今回だけに終わらず,今後も八戸で育児をとりまく問題を考える継続的な集まりが持たれればと望まれるところです.

○南部春生先生の主な著作
「子どもの心とからだがみえますか」北海道新聞社
「赤ちゃんに学ぶ子育て」メディカ出版 ほか
子育て支援のページへ


●6月の診察と休診の予定

○休診日 :日曜日以外はありません.

○休診時間 :6月は土曜午後休診が2回ありますのでご注意下さい.
6/8 (土)午後休診東北小児喘息アレルギー研究会(盛岡)
(午前の受付も11:30で終了します)
6/15(土)午後休診青森県小児科医会総会・講演会(青森)

○休日夜間急病診療所の当番
6/22(土)19:00〜23:00TEL 0178-**-****
(この日は時間外の受付・電話応対はいたしません)


●その他のインフォメーション

○感染症流行状況
 先月に引き続き風疹の流行は続いており,その他に保育園や幼稚園で水ぼうそうの流行も少しみられています.いずれも予防接種で防げる病気ですので,機会を見て早めに接種するようにしましょう.
○新しいパンフレット
 「風疹」「水痘(みずぼうそう)」「便秘のとき」「咳と鼻みず」
○毎週水曜日午後は休診ですので,予約の電話も受けておりません.木曜日の予防接種の予約は火曜日までに済ませるようにして下さい.
○夜間,32-1198(医院電話)はつながりませんのでご注意下さい.また,時間外の電話対応は原則として再来の患者さんを対象としておりますので,知り合いの方に教えるときにはご配慮下さい.


発行 1996年5月31日 通巻第3号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
kuba@qa2.so-net.or.jp
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