■ 突発性発疹(とっぱつせいほっしん)
●原因

 ヒトヘルペスウィルス6というウイルスが原因です.ヒトヘルペスウィルス7というウイルスも突発性発疹と同様の症状をおこすことが知られており,このため「突発性発疹に2回かかる」ということも稀にあります.1年を通じて同じようにみられ,比較的強い感染症なのですが感染経路はよくわかっていない面もあり,子どもどうしでうつることは稀です.ほとんどの子どもが1歳過ぎまでにはかかってしまうポピュラーな病気です.

●症状

 生後4〜5か月〜12か月くらいに多くみられます.突然38〜40℃の熱を出して2〜4日続きます.咳や鼻水はなく,熱のわりに機嫌はあまり悪くないというのも特徴です.熱が下がった日か次の日に全身に発疹が出てはじめて診断がつきます.発疹は2日位で消えてあとは残りません.かゆみもありません.

●合併症

 胃腸炎(主に下痢)が主にみられます.発疹が出る前後くらいから下痢が始まることが多いようです.また,熱性けいれんをおこすことが比較的多い病気でもあります.熱が続くので脱水症状には注意をして下さい.その他に肝機能障害やいくつかの合併症が知られていますが,あまり心配する程でもありませんのでここでは省略します.

●治療

 特別な治療はありません.熱冷ましの坐薬を使いながら様子を見るのが普通です.他の病気のことを考えて抗生物質を使う場合もありますが,診断がつけば合併症がない限り中止します.

●予防

 予防接種などの予防法はありません.

●家庭でのケア

 赤ちゃんにとってはじめての発熱であることが多く,お母さん方をあわてさせることになるようです.水分補給に気をつけながら,熱のときの一般的なケアを心がけてもらえば大丈夫です.とても高い熱が続きますが,機嫌が悪くなければ大丈夫.ぐったりして顔色が悪い,水分が十分にとれない,けいれんを起こした,といった場合はすぐに連絡してつれてきて下さい.熱のために頭がおかしくなるようなことはありません.着せすぎ,掛けすぎにはくれぐれも注意.(→「熱がでたとき」「熱さましの薬」のパンフレットをご覧下さい)

●こんなときは受診を

 1.ひきつけたとき.(→「熱性けいれん」
 2.水分をあまりとらず,元気がないとき.
 3.高熱が続いて心配なときは昼間のうちにまた受診してください.

●治った後の注意

 突発性発疹の後は一時的に免疫機能が少し低下していることが最近わかってきました.1か月間は生ワクチンの予防接種は受けないほうが良いでしょう.
 その他は全く普段通りの生活で構いません.発疹がまだ消えていなくても熱がなくて元気があればお風呂に入れても構いません.下痢が少し長引くことがありますが,下痢のときの一般的な注意を心がけて下さい.治りかけのときに機嫌が悪くなり何日間かぐずって仕方がないということがあるようですが,自然に治ります.

作成 1996年6月25日
くば小児科クリニック


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