当クリニックでは,次のような熱さましの薬を処方しております.
1)アンヒバ
剤型 坐薬 50mg,100mg,200mg
成分 アセトアミノフェン
投与量 体重1kgあたり1回10mg(〜15mg)が目安です
生後5か月(7kg)〜10か月(9kg):50mgを1個
生後10か月(9kg)〜2歳(12kg):100mgを1個
2歳(12kg)〜4歳(16kg):200mgを2/3個
4歳(16kg)〜6歳(20kg):200mgを1個
副作用 小児では最も安全に使える薬です
(大量に使うと肝障害を起こすことがあります)
備考
市販の熱さましの坐薬の多くは同じ成分が使われてい
ます.その場合も使い方は同じで構いません(説明書
の量より少し多めになっていますが心配ありませ
ん).
お子さんが小さいうちは,ご家庭に熱さましの坐薬を常備させて
おくと,急に熱が出てもあわてないですみます.
2)カロナール
剤型 細粒 200mg/g
成分 アセトアミノフェン
投与量 体重1kgあたり1回10mg(〜15mg)が目安です
副作用 アンヒバと同じです
備考
アンヒバと同じ成分の飲み薬です.甘い味がついてい
ますが,口の中に残ると苦みがでてくるので十分な量
の水で服用して下さい.
3)ポンタール(←2000年以来使用しておりません)
剤型 シロップ 32.5mg/ml
散 500mg/g
カプセル 125mg,250mg
成分 メフェナム散
投与量 体重1kgあたり1回6.5mg
体重1kgあたり1回0.2ml(シロップ)
副作用 まれに低体温
備考 日本ではよく使われている薬で効き方も良い方です.
4)ボルタレン(←開院以来現在まで使っておりません)
剤型 座薬 12.5mg,25mg
成分 ジクロフェナックナトリウム
投与量 体重1kgあたり1回0.5mg
25-30kg(小学校低〜中学年):12.5mgを1個
50kg以上(中学生):25mgを1個
副作用 まれに低体温やショック
<Q&A>
●どんなときに熱さましを使ったら良いのでしょうか?
大体38.5℃を目安としますが,これはあくまで目安です
熱が高くても元気があったり,水分をとれて眠れているときには
使わずに様子を見ても構いません
38.5℃より低くても,症状が重そうだったり頭痛がひどいとき
には使っても構いません
お母さん方の判断で対応してもらって大丈夫です.わからないと
きはご相談下さい.
熱性けいれんをおこしたことのある子の場合は,ひきつけ予防の
坐薬を先に使うようにしましょう
●熱さましはどれくらい間隔をあければ使えるのでしょうか?
普通は6時間くらいあけるようにします
症状が強いときには4時間程度で使っても構いませんが,その場合
は,1日3回をこえないようにして下さい
●毎日何回まで,何日くらい使えるのでしょうか?
1日3回位が限度でしょう
普通のかぜなら夕方から夜を主にして,1日2回くらいで様子を見
ていいと思います
上に書いた回数なら,3〜4日使っても大丈夫ですが,元の病気が
良くなっていないのに坐薬に頼ってばかりいるのはいけません.
肺炎や中耳炎などの合併症をおこしていないかどうか,早めに受
診してチェックするようにしましょう.
●坐薬を使った方が良いのか,飲み薬を使ったら良いのでしょうか?
一般的に,小さい子は坐薬,大きい子は飲み薬が使いやすいと思
います
坐薬をいやがる場合や薬や水分をとれている場合は,飲み薬にし
てもいいでしょう
大きな子で,薬で胃があれやすい場合は坐薬の
方が良いかもしれません
●熱さましを使っても全然下がらないときはどうしたら良いいのでしょうか?
症状のピークを過ぎていない場合は殆ど効かない場合があります が,無理に下げようと何回も使うのは良くありません.水分補給 や冷やしたりしながら看病してあげて,熱さましは時間をあけな がら使いましょう.
●薬のアレルギーがあるのですが,熱さましは使えるのでしょうか?
その子によって違いますのでここではお答えできません.副作用 のない薬はありませんので,一つの薬で具合が悪くなったことが ある場合は他の薬に対しても慎重に考えた方が良いかもしれませ ん.
1996年4月1日
くば小児科クリニック
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