■ くば小児科クリニック 院内報 2000年9月号


● 八戸の時間外小児救急システムが9月から変わります (→別プリントを参照

 先月号で簡単に紹介したものですが、再度掲載します。

 当院では開院当初より携帯電話の番号をお教えしたり、一般的な症状なら家庭で当面の対処ができるようにプリントを使ったり診察の後に直接指導するなど、時間外への対応を考慮してきたきたつもりです。しかし、携帯電話に出られなかったり、出ても会議などで外出していて対応できないこともありました。そのような場合には従来より根城の急病診療所を受診するようにお話ししてきましたが、当院周辺では根城が遠く感じられるのか市民病院や労災病院の救急外来を直接受診される方がいらっしゃいました。

 しかし、日赤を含めて公立3病院では輪番体制を組んでいて、主に二次救急患者を中心に対応していますので、ただ熱が出ただけといった軽症の小児の患者が多くなって重症の患者の診療に差し支えが出ており問題になっていました。

 また、急病診療所では2年前より全ての土日祝日に小児科医が出るように小児科開業医の間で協力して体制を改善しており、その結果として土日の小児患者数は増加していたのですが、平日は内科の先生にみてもらうために潜在的な不満もあったようです。

 そのような経緯を踏まえて、7月に医師会で「開業医と勤務医の話し合いの会」が開催され、小児の一次救急(軽症)患者について活発な意見交換が行われました。私はこの会の座長として意見をとりまとめましたが、患者さんにとっても開業医と勤務医の双方にとってもより良いシステムを作ろうということで、9月から平日も小児科医が急病診療所に出ることになりました(内科外科と合わせて3人体制)。ただし、小児科医の間でも考え方に温度差があり、また内科医に比べて人数が圧倒的に少ないため、全ての日をカバーすることはできず、在宅当番医が小児科の場合は急病診療所には出動しません。いずれも当日の新聞などでご確認下さい。

 この結果、私の場合1か月に週末1回平日2回、計3回に増えることになります。電話での対応は従来通り行い、症状によってはこれまで通り時間外に診察することも行っていきますが、急病診療所の体制を強化したわけですから、従来よりもそちらを利用をしてもらう方向性で対応することになると思います。ご理解の程よろしくお願いします。


● ポリオのワクチン10月から再開

 この記事も先月号に詳しく書きましたのでそちらを参照して下さい。厚生省から一般の方向けのパンフレットやポスターなどが発行されるはずですので、心配な方はそちらもご覧下さい。なお、八戸市ではどういった理由からか理解できないのですが10月に続いて11-12月にも接種が行われるようです。もし他の接種が残っている場合は、ポリオを2か月続けてすすめる必要はありませんので、他のワクチンを優先させるようにしましょう。


● インフルエンザの予防接種:開始が少し早まるかも(?)

 例年10月下旬に入荷して11月から接種開始していましたが、今年は10上旬頃には入荷する見込みとの未確認情報があり、例年より早く接種開始できるかもしれません。10月に入り次第予約を受け付けたいと思います。昨年の1.5倍の本数は確保しましたが、希望者がそれよりも増える可能性もありますので、ご予約はお早めに。

 なお、先月号で「15歳以上の場合は今年から1回接種でも構わないことになった」と書きましたが、ワクチンの能書きによると13歳以上と書かれています。しかし、全国の小児科医の大勢に従い、当院では15歳まで(中学生)は2回、高校生以上は1回とさせていただくつもりです。希望の場合は高校生以上でも2回接種できます。

 価格は昨年よりも値下げして4000円とさせていただきます。


● クラリスが少しだけ飲みやすくなります

 スズラン薬局で薬を出している方は、少しだけ甘みを増して処方してもらえることになりました。秋にかけて咳のでる風邪にはよく使われる薬の一つですが、口の中に残ると後味は同じように少し残ると思いますので、最初のうちに飲んで口の中に残さないようにしましょう。


● 新しいパンフレット

 日本外来小児科学会が新しくつくったパンフレットを配布します。いずれも優れた内容で皆さんにお勧めできます。待合室に置いておきますので、ご自由にお取り下さい。「あなたの子どもの小児科医」「タバコの害から子どもたちを守るために」「起立性調節障害」「乳幼児の鉄欠乏性貧血」「やっぱり受けよう!予防接種」「子どものことばの発達」「リラックス離乳食」「急性気管支炎」


院内版感染症情報 〜2000年第35週(8/27-9/2)


        2000年 第20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35
感染性胃腸炎     12  9 12 10  9  3 11  7  8  0  4  9  6  0  3  5
手足口病          0  0  0  0  0  1  1  2  4  3  5  4  2  3  3  4
ヘルパンギーナ    0  1  3  5  3  6  4  6  3  6  3  3  1  2  3  1
流行性耳下腺炎    0  1  1  0  3  2  1  2  1  1  1  4  2  3  2  1
突発性発疹        1  0  1  4  0  3  1  3  7  0  1  1  3  3  1  1
ウイルス性発疹症  0  0  0  0  2  0  1  1  0  2  1  2  1  0  1  0
水痘              2  0  0  0  0  2  0  0  0  1  0  0  1  0  1  0
溶連菌感染症      3  5  2  1  0  0  1  0  0  0  0  0  0  0  0  0
伝染性紅斑        1  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
 先月は手足口病やヘルパンギーナ、そして熱や腹部症状といったいわゆる夏かぜがメインで、手足口病の流行がまだ保育園などで残っているようですが、全体的にはさほど目立ったものはありませんでした。秋風が吹きはじめてから、咳や鼻水、熱といった一般的な風邪が増えてきました。また、風邪の流行や気候の変動と共に、喘息発作も目立つようになってきました。いずれも、来月にかけて更に増加が見込まれます。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は保育園での小規模な流行が続いているようです。麻疹は幸い発生ゼロが続いていますが、気を緩めずに早めに予防接種をすませるようにしましょう。


● 小6の二種混合、中学生の風疹予防接種をお忘れなく!

● 8月の学会出席報告は来月号で,,,


発行 2000年9月4日 通巻第54号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
webmaster@kuba.gr.jp
http://www.kuba.gr.jp/


前号 次号 院内報トップ くば小児科ホームページ