■ くば小児科クリニック 院内報 1996年11月号
● 予約診療について細かい変更があります

 ある混雑した土曜日の午前に,9時に来た人は予約しても予約しなくても15分待ち,10時なら30分待ち,11時だと1時間待ちという事態が発生しました.これでは何のための予約制なのかわかりません.このまま冬場に突入したら予約制は崩壊してしまいます.そこで,予約の仕方についていくつかの変更を加えましたので,よく読んでご協力をお願いします.

1)予約を受ける時間の単位を30分毎から15分毎に短くし,人数は15分に3〜4人,30分で7人を限度とし,それ以上は入れないことにしました.

2)予約した方はその時間の5分前までに必ず来院して検温をすませ,予約した時間には診療を開始することができるようにして下さい.15分毎に診察可能なギリギリの人数を入れていますので,遅れて来ると次の時間帯の方に大変迷惑になります.

3)予約時間を午前は11時半まで,午後は17時までとし,予約を入れられなかった方は11時半または17時の前までに受付をすませ,連絡なしで来院した方も含めて来院順に診察するようにしています.仕事の関係で夕方ギリギリになる場合もこれまで通り診察しますが,順番は17時からの来院順となります.

4)上記の予約枠外の時間(11時半〜・17時〜)に来院する場合でも,準備の都合がありますので今までと同じように電話はして下さい.

5)予約枠内の人数がいっぱいの場合,新患など連絡なしで来た患者さんや具合の悪い方は,15〜30分毎に1〜2人程度で診察することにします.

6)以上は原則ですが,症状次第では順番を前後させたり割り込んで診察する場合があります.特に,通院しているのに更に悪化しているような場合は,検査や紹介が必要かもしれませんので,あらかじめ電話で申し出て早めの時間に受診するようにして下さい.

7)予約の変更または中止の場合は,できるだけ前日または当日朝までに御連絡下さい.他の方をお断りしているのですから,直前になっての変更や中止は避けて下さい.

8)以上を全て守っていただければ待ち時間はかなり短くできるはずですが,それでも処置・検査・紹介などにより予約時間から遅れてしまう場合もでてくるかと思われます.あらかじめご了承下さい.

9)次回の予約については,喘息で定期的に通っている方や,症状が落ちつかず次回必ず受診してほしい場合などは診察の最後にお話しして決めていますので帰る前に受付で予約していって下さい.それ以外の場合は症状次第でという意味ですので,もう一度受診したい場合は,薬がなくなる前に,受診したい日の前日または当日朝にあらためて予約して下さい.

 さて,これをよく読んでもらうと,30分に予約7人+予約外1〜2人=8〜9人,逆算すると1人あたり3〜4分となり,悪名高き3分診療がこのようにしてできあがっていくことがわかっていただけるかと思います.暇なときならいざしらず,混んでくると説明が十分にできなくなりますので,その分お渡ししたパンフレットなどに目を通していただき次の受診日まで家庭で看護してもらえればと思っています.このことは次の項目の記事にも関連しますので,ここで疲れてしまわずに次に進みましょう.
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熱があるとき... 緊急再特集「時間外の対応について」

こんな電話は?

 「熱が高いのですがどうしたらいいでしょうか」「坐薬を使っても下がらないのでみてほしいのですが」etc,... いつまでたっても熱で電話をかけてくる人は後を絶ちません.パンフレットをお渡ししても,ちゃんと読んでくれない.それでいて「いつもかかりつけの○○なので診てほしい...」と迫ってきたりして....患者と医師は契約関係にあると言われていますが,それが一方的に24時間どんな場合でもみる義務があるという事なのかどうか.その辺をちょっと考えてみていただきたいと思い,この話題を再度とりあげることにしました.お互いに信頼関係が結ばれていないような状況で「かかりつけだから」と言われてもこちらとしては困惑するばかりです.多くの方には関係のない話題なのですが,我慢して読んで下さい.

それでは時間外の対応をどうしましょうか?

 そういうわけで「熱だけ」のお電話の場合時間外の診察は殆どしていないのが実情です.喘息の発作や熱性けいれん,その他いつもと違う様子で心配な場合は時間外でも診察しており,休日も含めて平均して1日0.8人程度の時間外の診察をし,その他に電話で指示して翌日受診させたりもしています.ですが,熱は大体において夜高くなるので,熱がでた患者さんをぜーんぶ相手にすることは到底不可能なのです.本当はこんな事を書きたくないのですが,冬場にかけてかぜの患者さんが多くなるにつれて「熱だけ電話」もそれに比例して多くなるということになると,本当にかかりつけで通いたいと思っている多くの患者さんの診療に差し支えますので,電話での時間外の対応をやめてしまうことも考慮せざるを得ません(...そうしている小児科医の方が多いでしょ).せっかくここまでやってきたのだからそれだけは避けたいと思ってここで再度お願いをしているわけです.ここまで読んで,時間外も対応すると書いていたけど話が違うじゃないかと感じられた方はちょっと考え直してみて下さい.最初にお渡しした診療案内に「当院の診療方針に共感して通っていただける方には,かかりつけとしてお応えしたいと思う」と書いたのはそういう意味だったのですよ.

八戸市の時間外の医療体制

 また,たとえかかりつけであっても,しばらくかかっていなくて急に出た症状の場合や,その時の事情により診察できない場合,外科や耳鼻科の病気の場合,とりあえずの薬がほしい場合などは根城の急病診療所にかかるようにお願いしています.一つの医院で24時間365日時間外の対応をすることは不可能ですので,市内の小児科医内科医がお互いに助け合って交代で当番をこなしており(もちろん私も),急病診療所では当面の対処だけをして,翌日なり休み明けに再びかかりつけのところで診てもらうように指導しています.これは地域医療のシステムですから,うちにかかっている患者さんだけがいつでも時間外の診察ができるわけではないことは承知しておいて下さい.この話は次回も少しとりあげることにします.

熱のときは...あわてて受診するよりもお母さんの看護を

 お子さんが具合が悪くて心配なのはわかりますが,かぜをひいて具合悪いのはあなたのお子さんだけではないのです.夜ちょっと診察したからといってすぐに治るわけではありません.風邪とか熱とかは自分の力で自然に治る傾向が強いので,家庭でしっかりと看護してもらうことが何よりも大切なのです.後は確認のための受診.これも以前に書いたことでした.
(→「熱がでたとき」)

 6月頃の院内報にも書きましたが,32-1198(医院の電話)は時間外はつながらないようにしています.不特定多数の方からかかってくるということもありますが,うちにかかったことのある方でも32-1198にかかってきた電話をとって良かったためしがないもので...(* * ;).


● インフォメーション

○ 最近の感染症流行状況

 溶連菌感染症が流行してきました.発熱がありのどが赤く発疹がみられる場合は検査で確かめています.マイコプラズマも一部にみられており,咳が長く続く場合は要注意.喘息の発作はピークを過ぎたようですが,まだまだ多く受診しています.これからの季節,嘔吐下痢症にご注意を.

○ 新しいパンフレット

 「気管支喘息の一番簡単なまとめ」(先月予告したうち一つだけ完成)

先月号で案内した漢方薬の入浴剤は1週間分1000円でお分けしております.11月はぜんそく教室の予定はありません(次回は未定).

○ 今月の特集記事はやや辛口でしたが次号で少し補足するつもりです.


● 11〜12月の診察と休診の予定 ... 11月の休診日にご注意下さい

10/26(土)午後休診青森県医師会学校保健講習会青森
10/29(火)13:30〜ポリオ鮫公民館
(午後の乳幼児健診なし)

11/9(土)午後休診全国医療情報システム連絡協議会仙台
(午前の診療も11時まで)
11/12(火)13:00〜新入学児健診青潮小
(午後の乳幼児健診なし)
11/16(土)19:00〜休日夜間急病診療所当番急病診療所(根城)
(時間外の対応はいたしません)
11/17(日)午前〜八戸医学会健診センター
11/27(水)午後休診学会移動日(←水曜午後は休診)
11/28(木)休診日本小児アレルギー学会福岡
11/29(金)休診 同 上 
11/30(土) 通常通り診療します 
12/4(水)臨時休診(予定) 
12/??( )(未定)休日夜間急病診療所当番急病診療所(根城)
(時間外の対応はいたしません)
12/30(月)午前診療
午後休診
(予定) 
12/31(火)休診  


発行 1996年10月26日 通巻第8号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
kuba@qa2.so-net.or.jp
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