「青森県の将来を憂える会」の声明文を読む →声明の全文はこちら

くば小児科クリニック 久芳康朗

 今朝(2001.12.27)の地方紙のコラムにこんな文章が載っていたのをご覧になった方も多いと思います(この新聞社のWEBサイトは古い記事が保存されないのでこちらに引用させていただきます)。いろいろと思うところはありますが、県政が民意から離れて危機的状況にあることは「憂える会」および天鐘氏も等しく認めるところであり、全く異存はありません。現在、ネット上では14億円横領事件に関連して青森県(および青森県民)は物笑いの種になっているということです。これだけ県民感情からかけ離れた県政をつづけていても安泰でいられることに、県民も木村知事をはじめとした県政担当者も疑問に感じないはずはありません。

 ちなみに、14億円というのは県民一人あたり1,000円、4人家族で4,000円の計算になります。例の容疑者は青森市内で毎晩飲み歩いていたというから、全ての県民が毎晩交代で1件分の勘定を持ってあげたと思えばいいのでしょう。つまり、彼は青森県民がこぞって歓待したいと思う愛すべき「飲み友だち」であり、私たちは彼のチリ人妻に豪邸をプレゼントすることでチリ経済にも多大なる貢献をしたというわけです。

● 天鐘 『デーリー東北』2001年12月27日掲載

 青森市の開業医・対馬秀雄さんらが組織する「青森県の将来を憂える会」が、声明文を出した。県財政について県庁幹部の責任を問う内容である。

 「最近の県政をみると憂慮の思いが増すばかり」と対馬さん。県財政が危機的状況にあるのは明らか。県債の残高、つまり県の借金は既に一兆円を超えているのである。額が大きすぎてピンとこない人にはこう言えばいいか。百四十七万県民が一人当たり六十八万円余の借金を背負っている、と。

 去年、冬季アジア大会経費を巡って大騒ぎしたのを、県はもう忘れてしまったようだ。当初の八億円がいつの間にか五十六億円に。「三十九億円の枠内」で県議会が幕引きした。だが最近、「大会が終わってみなければ分からない」なんて声が県庁から聞こえてくる。

 国際熱核融合実験炉(ITER)の誘致問題も県民の監視が必要である。建設用地の無償提供とか高圧送電線整備の百二十億―百五十億円を県が負担する用意がある、と県民に内証で国に示していたことが発覚した。県議会が「寝耳に水」と驚いたのも無理はない。

 そして今度は十四億円横領事件。アジア大会の経費問題で責任をうやむやにした“実績”からだろう、県は今回も減給処分で切り抜けようとした魂胆が見え見えだ。が、「仏の顔も三度」である。

 きちんと責任を取らせよう。「憂える会」の声明の趣旨もそこにある。公金に対する金銭感覚のまひ、だれのための県政か勘違いしている役人の姿勢。われわれ県民の手で正すしかない。

 さて、こう紹介されたら声明の原文を読んでみたくなるのが普通ではないでしょうか。そこで、ネット上を検索してみたのですが、まだどこにも掲載されていないようです。それなら自分で載せてしまおうというのがこのサイトの良いところ(?)。早速つてを辿って全文を入手し、下記のページに掲載いたしました。是非ともご一読下さい。(転載許可未−2001.12.28現在)

 ところで、天鐘氏は「われわれ県民の手で正すしかない」と結んでおられるけれども、実際にはどうやって正せばいいのでしょう。ここまで腐敗した体質を根本から改めるためには、ナンバー2(副知事)だけでなくトップ(知事)が変わることが最低限必要ではないかというのが現実的な判断ではないでしょうか。そして、そのことは宮城県などで十分に実証されているのですが、青森県民がどういった判断を下していくのか注目されるところです。(2001.12.28)

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