■ くば小児科クリニック 院内報 2005年9月号


院内版感染症情報 〜2005年第37週(9/12〜9/18)


        2005年 第21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37
インフルエンザ    1  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
咽頭結膜熱        0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
A群溶連菌咽頭炎  1  2  0  0  0  0  0  1  0  1  0  1  0  0  0  0  0
感染性胃腸炎      5  5  4  7  7  4  7  3  1  2  2  4  3  1  4  3  4
水痘              1  1  0  0  2  0  0  0  0  0  1  2  0  1  1  0  0
手足口病          0  0  0  0  2  0  1  0  1  3  3  2  2  2  0  1  3
伝染性紅斑        0  0  0  0  1  1  0  0  0  0  1  0  0  0  0  0  0
突発性発疹        0  0  1  0  1  0  1  0  0  0  1  4  0  1  0  1  0
風疹              0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
ヘルパンギーナ    0  1  0  1  6  2  1  1  1  1  0  0  0  0  0  0  0
麻疹              0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
流行性耳下腺炎    0  0  0  0  1  4  0  1  0  0  0  3  2  4  0  2  0
 今年の夏は、例年流行する手足口病、ヘルパンギーナ、熱だけの夏かぜ、お腹にくるウイルス性の胃腸炎などが普通にみられましたが、特別なことはなく経過しました。まだ高い熱で始まってくる夏かぜは残っていますが、9月に入って涼しくなってくるにつれて、例年咳がひどくなるタイプの風邪がメインになってくるはずです。流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の小流行が保育園などで続いているようです。

 お盆過ぎから、喘息やアレルギー性鼻炎の症状が少し目立ちはじめてきましたが、9月から10月にかけてが1年で最も症状が落ち着かなくなる時期です。薬の治療、定期受診と共に、ダニやホコリなどの環境対策もしっかりとるようにしましょう。

 麻疹(はしか)はゼロが続いていますが、県内では散発的に発生しています。1歳になったらすぐに麻疹ワクチンを忘れずに。秋のポリオとの兼ね合いで後回しになる場合でも、その4週間後に接種するようにしましょう。


● 第3回ぜんそく教室「喘息のセルフケア」

 日時 10月8日(土) 15:00〜16:00 (14:30〜ビデオ)
 内容 喘息のセルフ・ケア 自宅での吸入療法
    ピークフローのモニタリング 喘息日記 総復習
 会場 当院2階ホール

 秋風が吹き始めて朝晩の冷え込みが目立つようになり、喘息の子には一番乗り越えなくてはいけない季節がやってきました。

 喘息は一直線に治るということはなく,どうしても症状の波が出てきます.毎日の生活の中でこんな時どうしたらいいのか自宅で判断して対処してもらい,良好なコントロールに結びつけていく,そのためのいろいろな手段をご紹介します.そのうちのいくつかは既に始めている人もいるはずですが,その場合は知識の再確認になります.少し年長児向けかもしれませんが,小さなお子さんの家庭でも参考にしてもらえると思います。


● 八戸の中学生の65%は喫煙家庭で育ってきた

 今年から数校ずつ、八戸市の中学校で全学年の喫煙率と家族や友人などの喫煙環境についてアンケート調査を実施しています。その結果については現在検討中なのですが、非常に興味深い、そして深刻なデータが判明してきています。その一部を、何回かに分けてご紹介したいと思います。

喫煙経験率(%)(これまで1本でもタバコを吸ったことがある子の割合)

 1年2年3年合計
男子7.213.410.710.5
女子4.76.68.96.7
合計5.9 9.89.98.6

 全体で1割弱の喫煙経験率で、過去の全国サンプル調査より低い値なのですが、中1の6%に喫煙経験があるということは重視すべきです。

家族の喫煙

 家族の中に喫煙者がいる生徒は全体の65.4%で、その内訳は、父51.4%、母22.4%、祖父9.3%、祖母2.9%、兄6.2%、姉3.3%、その他1.5%となっています。そして、喫煙家族のいない生徒の喫煙経験率が4.4%であるのに対し、喫煙家族のいる生徒では10.7%と大きな差がみられました。

 さらに、家族の誰が喫煙するかによる生徒の喫煙経験率の違いと、喫煙経験者の中で女子が占める割合を調べると、驚くべきデータが判明しました。

 喫煙経験率(%)女子の割合(%)
喫煙家族なし4.421.7
あり10.743.8
9.040.6
17.056.1
父+母14.256.7
父のみ7.028.2
母のみ21.855.6
祖父11.531.3
祖母22.740.4
20.452.6
24.558.3

 つまり、
 1) 父の喫煙よりも母の喫煙の方が子どもがタバコを吸い始める率が高い、
 2) 両親が二人とも吸うよりも母だけが吸う方が喫煙経験率が高い、
 3) 父母<祖父母<兄姉の順で喫煙経験率が高い、そして、
 4) 父より母、祖父より祖母、兄より姉が吸うと女子の割合が高くなっているのです。

 初回喫煙年齢、友人の影響、朝食との関係などについては来月号で。(集計作業中のため禁無断転載)


○ インフルエンザの予防接種の予約受付中

 今年も例年通り10月中旬から接種を開始する予定です。9月から予約は受け付けております。年内に2回目まで終わるように予定を立てましょう。


○ 9月の診療日、急病診療所、各種教室、相談外来の予定

 9月は臨時休診はなく、暦通りの診療となります。急病診療所当番は9月11日(日) 夜と23日(祝) 昼の2回です。赤ちゃん教室は9月10日(土)、その次は11月26日(土)、ぜんそく教室は9月3日(土)と10月8日(土)。「育児相談・子どもの心相談」「禁煙・卒煙外来」は、水曜・土曜午後、平日夕方なども可能です(初回のみ無料−禁煙外来で薬を処方する場合は実費)。

 メール予約システムをご利用下さい。(yoyaku@kuba.gr.jp 宛)


発行 2005年9月18日 通巻第114号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
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☆ 当院は「敷地内禁煙」です


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