■ くば小児科クリニック 院内報 2005年8月号


院内版感染症情報 〜2005年第30週(7/25〜7/31)


        2005年 第14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30週
インフルエンザ    3  5  4  2  0  0  0  1  0  0  0  0  0  0  0  0  0
咽頭結膜熱        0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
A群溶連菌咽頭炎  2  2  1  1  0  0  0  1  2  0  0  0  0  0  1  0  1
感染性胃腸炎      4  4  2  5  3 16  9  5  5  4  7  7  4  7  3  1  2
水痘              1  1  1  0  3  0  1  1  1  0  0  2  0  0  0  0  0
手足口病          2  1  0  1  0  0  0  0  0  0  0  2  0  1  0  1  3
伝染性紅斑        0  0  0  1  1  0  0  0  0  0  0  1  1  0  0  0  0
突発性発疹        2  0  0  1  0  0  0  0  0  1  0  1  0  1  0  0  0
風疹              0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
ヘルパンギーナ    0  0  0  0  0  0  0  0  1  0  1  6  2  1  1  1  1
麻疹              0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
流行性耳下腺炎    1  0  0  0  1  0  0  0  0  0  0  1  4  0  1  0  0
 今年の夏は昨年までの2年間と比べて、アデノウイルス感染症のような強い症状が続くタイプ(典型的な場合は高熱、咽頭痛、結膜炎を合併する咽頭結膜熱−俗に言うプール熱−と診断する)は少ないようです。ただし、咳が強くなって長引く風邪や、例年この時期に流行する手足口病やヘルパンギーナなどの夏かぜも、保育園などで流行しているようです。手足口病とヘルパンギーナは、どちらも発疹や口の中の粘膜疹が消えていなくても、発熱や食欲が回復して全身状態が良ければ、出席停止にする必要はありません。その理由は「うつらないから」ではなく、「その後もうつるから」ですのでご注意下さい(それぞれのプリント参照)。

 BCGの予防接種は昨年まで真夏の7・8月に集団接種をしていましたが、今年から個別接種になっています。生後6か月になると自費になってしまいますので、6か月前に必ず済ませて下さい。


● ぜんそく教室(全3回)のお知らせ

 日時 8月6日(土)15:00〜16:00 (14:30〜ビデオ)
 内容 第1回 喘息の基礎知識
    気管支喘息とは? 喘息の症状 治療の目標
    発作のときの対処 治療につかう薬の知識
    発作のないときの管理

 今年もぜんそく教室を開催いたします.喘息の治療のためには,患者さんやご家族が病気のことを知り,薬のことを知り,対処法を理解した上で長期にわたって取り組んでいくことが必要になります.内容は昨年までとほぼ同じですので,参加できなかった回がある方はその回だけ参加していただいても結構です.

 日時 9月3日(土)15:00〜16:00 (14:30〜ビデオ)
 内容 第2回 ぜんそく児の日常生活
    家庭での環境 日常生活・学校・行事 体をきたえる
    喘息のセルフ・ケア 前回の復習

 真夏は比較的落ち着いていることが多い季節ですが、お盆過ぎて涼しい風が吹きはじめると喘息の発作も散見される季節に入ります。
 第2回は環境対策を中心に、日常生活や学校生活などについてまとめてみたいと思います。喘息の治療は薬だけではありません。発作をおこしてからあわてないように、発作のないときにコツコツと貯金をためていくつもりで一緒に勉強していきましょう。

 第3回 セルフ・ケア(応用コース) …10月8日(土)の予定


● 日本でもエイズが大ブレイクの危機に

 7月に神戸で開催されたアジア太平洋地域エイズ国際会議では、アジアで2004年の感染者は820万人、2010年には1780万人に急増すると予想されており、新規感染者は世界の24%を占め、流行爆発の危機的状況にあることが確認されました。全世界でエイズによる死者は毎年400万人に達しているものと推定されています(タバコ病による死者は500万人)。

 ここで、適切な予防対策を進めれば2010年の感染者は1020万人に抑えることができるのです。その対策とは、「予防と治療の両輪」すなわち貧困・教育対策(男女間の不平等や麻薬・性産業の問題も含む)、性感染症予防教育(コンドーム)、そしてエイズ治療薬の普及であり、いずれもお金と時間と人手が必要ですが、緊急に対応しなければ更に困難な状況に陥ることは明らかです。

 一方、日本の感染者数は現在1万2千人とされていますが、診断されていない無症状のHIV感染者がその数倍いるものと予想され、しかも先進国の中で唯一、新規感染者が増加しているのです。エイズはクラミジアと同じように「誰もが感染する可能性があり、知らない間に移しあっている一般的な性感染症」になっています。会議でも「エイズ知識の不足や、感染者が社会的に阻害されている状況をみると、感染の急速な拡大は十分起こりうる」と指摘されており、更に最近の保守派による性教育バッシングで学校における性教育が大幅に後退している現状が批判されました。

 幸い八戸市では教育委員会と医師会の協力により、適切な知識を必要な時期に確実に得ておくことで将来の性行動や喫煙などの問題を未然に防ぐことを目的として、タブーのない思春期の性やタバコ問題を含む命の教育「いのちをはぐくむ教育アドバイザー事業」を実施しています。県内では増加していた未成年の妊娠中絶数が初めて減少に転じ、この傾向が続くことが期待されています。


○ 今年のインフルエンザの予防接種の予約について

 秋になればまたインフルエンザの予防接種が始まります。例年10月中旬から開始して、年内に2回目を終わらせたいところです。予約は9月から。


○ 8月の診療日、急病診療所、各種教室、相談外来の予定

 8月はお盆休みが13日(土) 午後と15日(月) 、学会出席のため20日(土) も休診となります(19日は17時まで)。
 急病診療所当番は8月13日(土) と30日(火) の2回です。次回の赤ちゃん教室は9月10日(土)、ぜんそく教室は8月〜10月に3回開催します。「育児相談・子どもの心相談」「禁煙・卒煙外来」は、水曜・土曜午後、平日夕方なども可能です(初回のみ無料−禁煙外来で薬を処方する場合は実費)。
 メール予約システムをご利用下さい(別紙)。6・7月合併号が制作途中のままで未発行ですが、先に8月号をお届けすることになり失礼しました。


発行 2005年8月6日 通巻第113号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
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☆ 当院は「敷地内禁煙」です


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