■ くば小児科クリニック 院内報 2001年5月号


● 八戸でも「病後児保育」がはじまりました

 新聞報道でもご存じかと思いますが、今年度の市の予算で補助金がおりることになり、4月から白銀の明星保育園で『病後児保育』が開始されることになりました。

 「病後児保育」というのはちょっと耳慣れない言葉です。一般的には主に医療機関に併設された「病児保育」が主流ですが、様々な問題があってあまり普及してきていませんでした。そのため、保育所併設の病後児保育が平成12年度から認められるようになったのですが、その対象児童等は、(以下抜粋)

ア 病気回復期にあり、医療機関による入院治療の必要はないが、安静の確保に配慮する必要がある集団保育が困難な保育所に通所している児童で、かつ、保護者の勤務の都合、傷病、事故、出産、冠婚葬祭など社会的にやむを得ない事由により家庭で育児を行うことが困難な児童。
 なお、実施施設が病院、診療所の場合には、「病気回復期」に、いまだ病気の「回復期」に至らない場合も含めて差し支えないこと

イ 保育所に通所している児童ではないが、アと同様の状況にある児童(小学校低学年児童等を含む)。

ということです。ちょっとわかりにくいのですが、病児と病後児という医学的な定義はありませんので、主に感染症の場合、ピークは過ぎたという主治医の判断に任されるようです。

 利用案内は当院にも置いてありますので、ご希望の方はお持ち帰り下さい。事前に登録が必要なことなど、いくつか注意が必要です。また、利用の際には医療機関から「利用連絡表」を発行する必要があり、当院でも発行できます。

 もちろん、この制度の利用をすべての皆さんにお勧めするというわけではなく、上記のような「やむを得ない場合」に利用を考慮していただければと思います。

 子育て支援策の一つとして病児保育が推進されてきましたが、小児科医の間でも、子どもが病気のときにはお母さんやお父さんが早退したり休みやすくするような社会労働環境の整備を優先すべきでないかという意見があります。私も本来そうあるべきだとは思いますが、現実問題として何日もお休みをとりにくいのは理解できます。

 何もかも環境が整うのを待っているよりも、「両正面作戦」で臨むのが正解と言えそうです。


院内版感染症情報 〜2001年第18週(4/29-5/5)


	    2001年 第04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18
感染性胃腸炎     34 21 23 24 26 32 24 17 12  7 13 10 19 22  3
溶連菌感染症      0  1  2  0  1  2  1  3  1  0  0  3  0  0  3
水痘              6  6  8  1  4  2  3  0  2  5  0  4  3  5  2
インフルエンザ    6  5  2  6 18 24 50 39 43 27  8  3 11  2  1
突発性発疹        1  3  5  1  1  0  5  2  7  2  1  2  3  2  1
流行性耳下腺炎    0  2  0  0  0  1  1  0  0  0  0  0  0  2  1
手足口病          0  0  0  0  1  2  0  1  1  1  2  0  4  0  0
ウイルス性発疹症  0  1  0  0  0  1  0  1  0  0  1  0  1  0  0
伝染性紅斑        0  0  1  0  0  0  0  1  1  0  1  2  0  0  0
 今シーズンのインフルエンザの流行は4月中旬まで続き、一時盛り返したようにみえましたが、下旬にはほぼ終息を迎えました(まだ疑わしい子はちらほらみかけますが)。主にロタウイルスによる胃腸炎も4月中旬に再度増加して、入院治療が必要な子もいました。SRSVの集団発生のニュースが聞こえてきていますが、このウイルスはカキなどの貝類による食中毒としても、普通に流行するウイルス性胃腸炎としても近年重要性を増しています。ロタウイルスよりも短期間ですむ場合が多いようですが入院や点滴が必要な場合もあります。

 現在の主な流行は、咳、鼻水、発熱といった一般的な症状が続くタイプで、比較的治りにくい子が多いようです。また、保育園などでは水痘や溶連菌感染症の小流行が続いているようです。ヤマセの影響で、寒暖の差が大きい不安定な気候が続いています。GWあけに体調を崩さないように、毎日の睡眠やバランスのとれた栄養を心がけましょう。


● ホームページの掲示板(BBS)を一新しました

 長年ご利用いただいているホームページにおける掲示ですが、現在のシステムで3年以上が経過し、この機会に外部サーバーに移転して高速化・高機能化をはかることにしました。

 http://www.kuba.gr.jp/bbs/index.html

 iモードなどの携帯端末からの読み書きにも対応しているのが特徴です。なお、掲示板における健康相談は現在行っておらず、かわりにメールニュースとメーリングリストを開始したことは先月号でお知らせしたとおりです(別紙案内参照)。

○ 休診の予定

 5月19日 (土) は日本小児科学会(仙台)のため午後休診になります。
 6月9日 (土) も青森県医師会の主催で開かれる日本プライマリケア学会に出席するため午後休診となる予定です。

○ 赤ちゃん教室と育児相談・子どもの心相談(無料)

 5月の赤ちゃん教室は12日に実施されました。次回の赤ちゃん教室は7月14日(土)です。

○ 今年も喘息教室を開催します(6〜9月)

 第1回は6月23日(土)の予定ですが、詳細は院内にも掲示します。

○ 1月号に紹介した毎日新聞連載「子どもが危うい」が、「子どもが危ない・どう救う」というタイトルで本になりました(エ−ル出版社 \1,500)。近日中に待合室に置いておきます。

○ 書きかけの記事(もしかしたら来月号に掲載...?)

「ホクナリンテープは咳止めではありません」「耳も綺麗に洗ってほしい、ついでにおヘソも...」「おかゆが食べられない子ども対策に悩む...」

○ iモード対応ページ http://www.kuba.gr.jp/i/


発行 2001年5月13日 通巻第62号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
webmaster@kuba.gr.jp
http://www.kuba.gr.jp/


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