■ くば小児科クリニック 院内報 1999年6月号
● 院内版感染症情報 〜1999年第22週(5/30-6/5)
1999年 第07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 感染性胃腸炎 21 21 20 10 13 13 10 14 21 17 19 5 16 15 14 10 溶連菌感染症 2 0 2 0 3 0 1 0 0 2 1 1 2 2 1 4 水痘 4 1 4 2 2 3 3 5 4 2 2 5 6 3 13 2 突発性発疹 3 5 7 1 2 1 1 0 8 0 1 1 4 1 4 1 伝染性紅斑 5 8 7 6 2 6 2 3 4 0 4 0 2 2 2 1 ウイルス性発疹症 0 0 1 1 1 1 1 0 1 1 1 0 0 2 2 1 麻疹 0 0 0 2 2 2 2 0 0 0 0 0 1 1 1 0 手足口病 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 ヘルパンギーナ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 1 0 MCLS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 インフルエンザ 5 12 20 18 36 11 7 2 2 3 2 3 0 0 0 0 流行性耳下腺炎 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 乳児嘔吐下痢症 2 0 0 0 3 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 05月には4月後半から再び増加していた嘔吐・下痢を引き起こす胃腸炎が引き続き流行し,下旬から発熱,咽頭痛,腹痛,咳や鼻水などの一般的な症状を引き起こす風邪もかなり流行し,例年と比べて来院患者数も多めに推移しました.
● 「学校において予防すべき伝染病」の解説
ニュースなどで伝えられているとおり,感染症予防法(いわゆる感染症新法)が今年の4月に施行され,それに伴い学校保健法も一部改正になりました.よくみられる疾患については大きな変更はありませんが,出席停止期間を中心に簡単に解説します.
なお,以下に示した期間は,病状や主治医の判断によって変わることもあります.例えば,インフルエンザで熱が下がって2日たったとしても,咳がひどく食欲や体力も回復していないときには無理に登校させる必要はありません.
[第一種]:治癒するまで
感染症新法の一類(エボラ出血熱など5疾患)+二類(急性灰白髄炎,コレラ,細菌性赤痢など6疾患)
[第二種]
インフルエンザ:解熱した後2日を経過するまで
百日咳:特有の咳が消失するまで
麻疹:解熱した後3日を経過するまで
流行性耳下腺炎:耳下腺の腫脹が消失するまで
風疹:発疹が消失するまで
水痘:全ての発疹が痂皮化するまで
咽頭結膜熱:主要症状が消退した後2日を経過するまで
結核:伝染のおそれがないと認められるまで
[第三種]:主治医の判断で,伝染のおそれがないと認められるまで
腸管出血性大腸菌感染症(O-157など):無症状病原体保有者の場合には出席停止の必要はない
流行性角結膜炎
急性出血性結膜炎
その他の伝染病(↓)
溶連菌感染症:適切な抗生剤治療で,ほとんどの場合24時間以内に他人への伝染を防げる程度に病原菌を抑制できるので,24時間を経て全身状態が良ければ登校可能.
ウイルス性肝炎:A型肝炎は,肝機能が正常になれば登校可能.B・C型肝炎の無症状病原体保有者は出席停止の必要はない
手足口病:発熱や水疱などを伴う急性期は飛沫感染をおこすが,全身症状の安定した者は,糞便からウイルスを排泄する時期であっても感染力は強くないので登校は可能.
ヘルパンギーナ:手足口病に準じる
伝染性紅斑:発疹期にはウイルス排泄はなく感染力はほとんど消失しているので,全身状態のよい者は登校可能.
マイコプラズマ感染症:症状が改善し,全身状態のよい者
流行性嘔吐下痢症:症状が改善し,全身状態のよい者
○ 出席停止の措置は必要ない伝染病の例
アタマジラミ:発見したら一斉に駆除することが効果的
水いぼ:数年かかることがあるが,自然に治癒する.
伝染性膿痂疹(とびひ):皮膚の清潔を保ち,集団の場では病巣を有効な方法で覆う.ただし,患部を被覆することは,治療を阻害する場合もある.炎症症状の強いもの,広範なものについては直接接触を避けるよう指導が必要.
● インフォメーション
○ 休診日のお知らせ(ウラの予定表もご覧下さい)
6月26日と7月10日の土曜日は,日本小児科医会「子どものこころ」研修会に出席するために休診になります.ちょうど第4・第2土曜日なのですが,今回だけはご迷惑をおかけすることになります.
○ ポリオの集団接種がはじまっています(八戸市)
詳しい予定は広報または健康カレンダーをご覧下さい.受付でも確認できます.6月〜10月は集団接種が続きますので,三種混合や麻疹(はしか)などの個別接種を組み込みにくい時期になりますが,原則として集団接種を優先させるようにしましょう.ただし,保育園に通っている子など麻疹にかかる可能性が高い子は順序を入れ替えることもありますのでご相談下さい.
○ 健康教室
7月7日(水)に,総合福祉会館で市民向けの健康教室の講師をすることになっています.「子どもに多い病気とそのケア」という標題でごく一般的な話になると思いますが,時間と興味がありましたらどうぞ.
発行 1999年6月6日 通巻第39号
編集・発行責任者 久芳 康朗
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