■ くば小児科クリニック 院内報 1998年11月号


 11月号はいろいろと忙しさにまぎれて月初めに発行することができませんでした(スミマセン).仕方がないので,積み残しの記事を載せて12月号と一緒にお届けすることにします.

● おんぶにだっこ

 最近新聞でみて驚きました.赤ちゃんを前向きにして前抱っこする「カンガルー型」というのが流行りだしているそうですね.
 おんぶひもがダサイとか恥ずかしいということで,かつてはフレームのついたリュックに背中合わせで後ろ向きにおんぶ(?)するのが流行り,その後「前だっこ」が主流となりました.前抱っこは赤ちゃんの様子がわかって密着度も高く(その分夏は暑い)安心なのですが,足もとが見にくくて危ないのが欠点でした.
 新しい「カンガルー型」というのは赤ちゃんが周りを見回せて,知らない人が声をかけてくれることが多くなるということなのですが,素人考えでも前抱っこの良い点を取り去って危ない点を更に強調しているとしか思えないのですが,いかがでしょうか.つまずいて転べば,赤ちゃんは地面に顔面直撃ですよね.
 いろいろあってどれが一番とは言えないとは思いますが,機能的には昔ながらのおんぶにも優れている点が多いし,普通の前抱っこも良いと思います.カンガルー型は,さすがに八戸ではやるひとはいないでしょうね(いや,わからないか?).
 ちなみに「カンガルーケア」というのは,未熟児をお母さんの胸の中で肌に密着させて育てるやり方で,元々は施設が充実していない途上国で行われていたものが,最近見直されて先進国でも取り入れられ,国内でも普及しつつあるところです.
 余談でした.


● 家庭内での事故防止に =子育てに役に立つウェブ・ページ=
日本中毒情報センター http://apollo.m.ehime-u.ac.jp/poison/www/

 薬物中毒事件が多発していやな世の中になりました.まだ缶の底を確かめながら飲んでますか.このページには話題のヒ素に関する情報はもちろん,「市民のための中毒の知識」では身近な薬物中毒に関する情報が掲載されています.以下に一部引用してみます.

○ 家庭内での事故防止チェックリスト

 あなたの家庭内での化学製品(化粧品、洗剤、医薬品、農薬など)の保管の仕方や使用法についてチェックし事故を未然に防ぎましょう。
 チェックの方法:該当する項目に○をつけてください。○の数が少ないほど要注意です。

□ 小児の目につかない場所や手の届かない場所に保管している。
□ それぞれ決まった場所に、区別して保管している。
□ 使用したあとは、すぐに片づけている。
□ 他の容器に移し替えていない。
□ ラべル(表示)がはがれずについている。
□ 冷蔵庫に食品以外のもの(コンタクトレンズ用品、殺虫剤など)は入っていない。
□ ホウ酸団子をみえる場所に置いていない。
□ 塩素系の洗浄剤や防水スプレーを便用するときには窓を開けて換気に注意している。
□ 異なる種類の薬品を混ぜたり同時に使用しない。
□ 不要の医薬品は常に捨てている。
□ 有効期限のきれた医薬品は常に捨てている。
□ 使途不明の医薬品は常に捨てている。
□ これまでに誤飲事故が家庭内でおこったことがない。

#ここでは薬品の事故について書かれていますが,こどもの誤飲事故で圧倒的に多いのはタバコであることは以前お伝えしましたね.


● 裏情報(と言いつついつも書いてますが)

 当院の診療時間は9時からですが,最近は9時の予約の人の診療を8時40分頃からボツボツと開始しています.また,必要な場合は8時半や45分に予約してもらうようにもしています.これから更に込み合うことが予想されますので,皆さんが予約時間より10分あるいはそれ以上早く来られると大変スムースに診療できるようになると思います.


● お絵書きコーナー(不定期に掲載予定)   

なおちゃん(4さい)
ライオンがとても上手ですね


● インフォメーション

院内版感染症情報 〜1998年第43週(10/25-10/31)


        1998年 第27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43週
感染性胃腸炎      2  6  2  4  2  3  9  8 11  2  1  3  7  8 10 11  9
ウイルス性発疹症  4  1  1  1  4  1  4  3  2  2  3  1  4  2  3  3  2
突発性発疹        1  3  2  3  1  3  7  3  4  6  5  1  1  2  0  1  2
水痘              3  2  1  2  0  1  0  0  1  0  0  0  0  0  0  2  0
手足口病         20 28 25 17 18 10  5  4  5  8  1  1  3  0  2  1  0
流行性耳下腺炎    0  1  0  2  0  0  0  2  0  0  0  0  0  1  0  1  0
溶連菌感染症      0  2  1  1  0  0  0  0  0  1  1  0  1  1  0  0  0
伝染性紅斑        0  0  0  0  1  2  0  0  0  1  0  0  1  1  0  0  0
ヘルパンギーナ    5  3  4  0  1  1  3  1  2  3  2  1  2  0  0  0  0
異型肺炎          0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  2  0  0  0  0  0
麻疹        0  0  0  0  0  0  0  0  0  4  2  0  0  0  0  0  0
咽頭結膜熱        0  0  0  0  0  0  0  0  0  2  0  0  0  0  0  0  0
乳児嘔吐下痢症    0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
 10月は喘息発作ではじまり,後半は咳のでるタイプの風邪が増加してきました.その他には,ここに出てくるような名前の付いた感染症は目立たず,先月お伝えした麻疹の小流行も終息したようです.
 11月は嘔気,嘔吐,下痢などのウイルス性胃腸炎の増加が見込まれます.年末にかけて例年水痘が増加する季節でもありますので,予防接種がまだの方は済ませてしまいましょう.インフルエンザの流行は1月頃と予想されますが,2年前のように12月から流行しだす年もあります.


発行 1998年11月29日 通巻第32号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
webmaster@kuba.gr.jp
http://www.kuba.gr.jp/


前号 次号 院内報トップ くば小児科ホームページ