■ くば小児科クリニック 院内報 1997年9月号


● どうしたら泣かないで診察できるかな?
 ・・・診察のしかた(確認編)・・・

 毎日小さい子の診察をするのが仕事なのですが,いかに泣かせないで診察できるかで決まってしまうところが大きいのです.泣いてしまうと診察の情報量は極端に落ちるし,お話しもしにくくなって早々に切り上げてしまいがち.それに,泣く子を無理矢理押さえつけて口をこじ開けて診察すれば,それがまた嫌になって次も大泣きするという悪循環に陥ります.

 こちらでも色々と泣かないような工夫はしているつもりですが,診察室に入る前から泣いちゃっているような場合はどうしようもありません.でも,ここでお母さん方に協力してもらうことで泣かずにすむことが多くなるかもしれません.

○ まだお話ししてもあまりわからない年齢の場合

・それでも,痛くないんだよこわくないんだよという事をあらかじめ繰り返してお話しして安心させるようにして下さい.聴診中もやさしく声がけしても結構です.ただし,診察中に手で体をトントンすると良く聴こえないのでこれはやめてください.

・背中を聴診するために抱っこして向きを変えたりするのも,わからないとコワイみたいですから,お母さんが手早くきっちり180°向きを変えて抱っこしてあげるようにしてみて下さい.

.口を見るために看護婦に頭を固定されると嫌なようですから,お母さんが片手で体を,もう片方の手でおでこをきっちりと押さえるようにしてみても結構です.頭は斜め上を向くように.でも,暴れて上手く行かないときには2人で固定しますので,お母さんはお子さんの両手を(手首を持って)しっかりと下に固定して下さい.

・どうしても大泣きしちゃった場合でも,診察が終わってカルテを書きながらお話ししますので,立ち上がって抱っこしてあやしても構いませんから,少し泣き止ませるようにして下さい.大泣きしたまま座ってそのまま話をしようとしても,何も聞こえないし話せません.

○ ある程度お話しすればわかる子の場合

・特に前回に予防接種をしたような場合は,今度は違うということをあらかじめお話ししておくようにして下さい.次も予防接種のときには仕方ないのであきらめてもらうしかないかなー.

○3−4歳を過ぎて口を開けるのを極端に嫌がる場合

・基本的に医者にかかるとこわいことをされるという先入観が固まってしまっていることが多く,それを取り除いて信じてもらうには一苦労します.この記事まだ終わらないのですが誌面がつきたので続きは次号に.


● 日本外来小児科学研究会に参加して

 毎年8月下旬の土日にこの学会に出席しています.今年は,残暑の厳しい東京で30-31日に開かれ,「子育て支援〜幼児期から思春期」のワークショップなどに参加してきました.全国の医院の院内報を展示するコーナーにこの院内報も出展してきました.夜は学生時代の友人と久しぶりに会って痛飲.駅から帰りの車中でダイアナ妃の悲劇を聞き胸を打たれる.


● インフォメーション

小学校6年生の二種混合がはじまっています

 今年も小学校6年生の二種混合(ジフテリア・破傷風)の個別接種が9月〜12月までの期間で始まりました.遅くなると風邪が流行ってきたりして受けそびれることがありますので,早めに申し込むようにしましょう.

予防接種のページ

○ 予約の10分前くらいに来院を

 この季節はまだ混んでいないので,診察は予約時間より大体5分くらい早めのペースで進行しています.その時その患者さんによって変化しますが,今のようなペースをしばらく続けてみたいと思いますので,なるべく10分前までに来院して5分前には体温を測りおわって診察できるようにしてみて下さい.現在,15分毎に3〜4人の割合で予約を入れております.

院内版感染症情報:第26週(6/22-6/28)〜35週(8/24-8/30)


	             26 27 28 29 30 31 32 33 34 35週
	感染性胃腸炎        1  7  6  5  3  2 11  5  4  6
	突発性発疹          3  3  3  3  0  3  3  2  4  4
	流行性耳下腺炎      2  0  2  3  1  2  6  2  2  2
	ヘルパンギーナ      8 13 14  8  5  6  4  0  1  2
	ウイルス性発疹症    2  1  1  1  1  1  1  0  2  1
	咽頭結膜熱          0  0  0  1  0  2  0  0  0  1
	水痘                3  2  0  1  0  0  0  0  0  1
	手足口病            2  5  9  8  3  3  4  1  4  0
	溶連菌感染症        1  2  1  4  0  3  3  0  0  0
	麻疹(様疾患)      0  0  0  3  0  1  0  0  0  0
	異型肺炎            0  0  0  1  0  0  0  0  0  0
	伝染性紅斑          0  1  0  0  0  0  0  0  0  0
 8月末にかけて,名前の付いたような感染症はいずれも下火で,おたふくかぜの流行がまだ少し続いている以外はあまり気をつけるものもなそうです.咳の多くなる風邪が少しずつみられてきたようです.
 また,感染症ではありませんが,涼しくなってきてから,喘息の発作で来院する患者さんが目立つようになってきました.先月号に書いた食中毒にも引き続き注意が必要でしょう.

○ 待合室の新しい本

「お母さんに知ってほしい 子どもの口と歯のホームケア」
「お母さんに伝えたい 子どものくすり安心ガイド」

インターネットの掲示板でも健康相談を行っています

 最近,そちらの相談が増えてきていますので,もし可能なら一度のぞいてみて下さい.もちろん,直接かかっている患者さんは受診したときに聞いてもらうのが一番です.聞きにくい場合は看護婦さんに相談してもらっても構いません.また,病気ではないのだけれど心配な育児上の相談や学校などに関係するような相談も,あらかじめ連絡してもらえれば,時間をあけて対応することも可能です.


発行 1997年9月1日 通巻第18号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031 八戸市湊高台1丁目12-26
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