■ くば小児科クリニック 院内報 1997年4月号


● 診療時間が変更になりました

 おかげさまで当クリニックも開院1周年を迎えることができました.これからも小さな改善を加えながら地道にやっていきたいと思いますのでよろしくお願いします.この機会に,先月号で予告した通り診療時間が変更になりました.予防接種と健診の30分延長と水曜日30分の時間短縮です.

予防接種(月木)14:00〜15:30一般15:30〜17:30
乳幼児健診(火金)14:00〜15:30一般15:30〜17:30
水曜日午前9:00〜12:00 (午後休診)

 これにあわせて診療案内も改訂になりましたので,新患だけでなく再来の患者さんにも新しく渡しなおしております.電話予約の注意などの後で加えられた変更も含まれておりますので簡単に目を通してみて下さい.


● アトピー性皮膚炎のはなし(第2回)

 先月号ではアトピー性皮膚炎(AD)の要因としてドライスキン(図2)とアレルギー性炎症の大きく分けて2つがあり,更に増悪因子が個人によって様々であることをお話ししました.

 今回は途中をはしょって治療の入り口に進みましょう(とばしたところは後でお話しするつもり).ADが多様な病態であるのに相応して,その治療も一つではありません.また,元となるアトピー素因は変わるわけではありませんので,ケアや治療をやめてしまえば元の木阿弥.さらに,一口に治療と言っても悪くしないようにする予防的治療(日常管理)と,悪くなったものを抑えようとする治療の2つがあり,それぞれの要因について予防と治療の側面から理解する必要があります.ADの治療というと多種多様な話が出て混乱する事もありますが,みんながちょっとずつ違った側面から物を言っていることが多いのです.まずこの辺が基本的考え方.

病態日常生活での管理治療
ドライスキン乳液,クリームなど保湿剤
汚れや細菌など石けん,シャンプー消毒薬,抗菌薬
痒みによる掻爬と増悪要因除去(温度や汚れなど)抗ヒスタミン薬
アレルギー性炎症アレルゲンの回避・除去抗アレルギー薬
既に起こっている湿疹−−−外用薬(主にステロイド)
その他の要因
(ストレス,ほか)
理解し除けるものは除く専門的治療

 これではまだ書き足りないようですが詳細はいつかまた.まあ,ステロイドだけで治療の是非を語ることがナンセンスであるとわかってもらえれば今回は良いことにしましょう.次回はちょっと戻って診断のはなし.
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● ゼラチンの入らないワクチンを

 麻疹や風疹などのワクチンにごく微量含まれるゼラチンに対してアレルギー反応をおこしてショック等の副反応がおきたという報告がある事を以前書きましたが,最近ゼラチンが含まれていないワクチンが発売されるようになり当院でも麻疹と風疹で採用しております.これで一安心と言いたいところですが,これ以外の種類にはまだゼラチンが微量ですが含まれるものもあります.また,ワクチンは体の中に異物を入れるわけですから,他の成分に対して反応がある場合もあり,いずれにしても接種後は変わったことがないかどうか注意する必要があることには変わりはありません.
予防接種のページ


● 保育園,あしたは休ませようかどうしようか?

 4月から保育園に預けはじめた方も多いかと思いますが,通いはじめに必ずかかるのが「保育園かぜ」(そんな名前はないけど).こんなはずじゃなかったという嘆きが聞こえてきそうですが,ちょっと我慢してこの時期をやり過ごすとだいぶましになってくるかと思います.
 さて,そんなこんなで保育園も休みがちな○○ちゃん.ちょっと風邪気味だけど元気,かと思ったら夜になって熱が出てきた.ここはあわてず坐薬を使いながら一晩眠らせて,起きてみたら熱が下がってました.ちょっと元気ないけど朝はいつもこんなもん.今日も保育園に預けていざお仕事へ.ところがやっぱり保育園では様子がおかしく,飲物も食べ物もとらない.午後になったら熱がまた上がってきてご連絡.迎えに行ってその足で小児科へ直行.「熱がぶりかえしてきたんです.」フムフム,なるほど.
 この例も特に責めるつもりで書いてたのではありません.上手くいけばOKとしても良いでしょう.でも,もしできるのなら,夜中に熱があったのなら1日は様子を見てあげらなかったのかな....できないから無理しているのだという声が聞こえてきそうです.「病児保育」も話のポイントでしょう.保育園の側でもかぜ気味の子を預かるのは日常の事ですから,ちょっとした症状なら預けてダメなら引き取る.よろしいかと思います.ただ,もうちょっとだけ肩の力を抜いてお子さんのペースに合わせた保育園生活を送れるようにやりくりしながらやってもらえたらなと思います.


● インフォメーション

○ 感染症情報

 この原稿を書いている時点ではインフルエンザB型と思われる風邪がまだ続いておりますが,新学期が始まる頃には下火になるものと思われます.細気管支炎,ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)はそろそろおしまいのようタメっと春が来たのですから冬場の感染症とはバイバイしましょうね.かわって(感染症ではありませんが)花粉症が大はやり.今年は平年並みと予想されていますが昨年が少なかっただけにつらいところ.喘息の子もこの時期ひとによっては要注意でしょう.


発行 1997年4月1日 通巻第13号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031 八戸市湊高台1丁目12-26
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