インフルエンザの熱の出方と注意すること 2000年改訂版

熱型のグラフ

 この熱型のグラフは,1999年のインフルエンザ流行時に,合併症がなくインフルエンザとしてはごく普通の経過だった4歳の女の子のものですが,4日目にいったん熱が下がった後,5〜6日目にもう一度熱が上がっています.インフルエンザの場合,このような二峰性の発熱を示すことが多いのですが,最初の高熱が3−4日以上続く場合もあります

 問題は,熱の高さや日数ではなく,合併症(気管支炎・肺炎,中耳炎,脱水症,脳炎・脳症など)の有無です.この患者さんも合併症はないと書きましたが,咳はそれなりにひどく気管支炎の状態と言っても差し支えない状態でした.咳は一般的に,熱のピークが過ぎた頃,あるいは二峰性の2つ目の山の頃がピークです.この頃の咳は,痰を出して治そうとする体の反応ですから,痰が切れやすくなるように部屋の加湿などをしてあげると良いでしょう.

 全体の経過としては,熱が下がって微熱あるいは平熱になるまでに1週間,咳がかなり良くなって食欲が戻り体力が回復してくるまでに更に1週間程度かかりますが,この間に無理をするとぶり返して更にこじらせることになります.学校などは,熱が下がってから2日以上たって,他の症状も軽くなってからにするようにしましょう.

(図中の矢印は坐薬の使用を示しますが,できればこれほど使わない方が良いでしょう.)

→参考:「熱がでたとき」「熱さましの使い方」

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