■ くば小児科クリニック 院内報 1999年3月号


院内版感染症情報 〜1999年第09週(2/28-3/6)


        1998年 第44 45 46 47 48 49 50 51 52 01 02 03 04 05 06 07 08 09
インフルエンザ    0  0  0  0  0  0  0  0  0  0 22 37 41 52 28 15 12 20
感染性胃腸炎      5 10 10  6  8 15 18  9  7 13 11 14 13 15 14 21 21 20
伝染性紅斑        0  0  0  1  0  3  4  1  3  5  4  5  7  4  1  5  8  7
突発性発疹        2  2  2  3  4  5  4  2  1  1  1  2  1  1  3  3  5  7
水痘              0  0  2  5  2  4  1  5  5  7  6  5  4  2  2  4  1  4
溶連菌感染症      0  0  4  0  4  1  2  1  0  0  1  1  2  0  1  2  0  2
ウイルス性発疹症  1  2  0  1  0  0  0  4  0  1  0  1  0  0  0  0  0  1
流行性耳下腺炎    2  0  2  0  1  0  0  0  0  0  1  0  0  0  1  0  1  0
乳児嘔吐下痢症    0  0  0  0  1  0  0  0  0  2  0  2  2  2  1  2  0  0
麻疹        0  0  0  0  0  0  0  0  1  1  0  0  0  1  0  0  0  0
異型肺炎          0  0  1  1  0  1  0  0  0  0  0  0  0  1  0  0  0  0
手足口病          0  2  0  1  2  0  0  1  0  0  2  0  0  0  0  0  0  0
ヘルパンギーナ    0  0  1  0  0  2  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
MCLS          0  0  0  0  0  1  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0  0
 マスコミでも報じられているとおり,今年のインフルエンザは1月上旬から2月にかけて大人と乳幼児を中心に流行し,老人の死亡例の記事が目立ちましたが,今年の流行は例年と比べて大きなものだったわけではないことに注意して下さい.昨年が大流行だったために,小学校では目立った流行にはなりませんでしたが,2月後半から小学校高学年を中心に流行が続いているようです.全国的にも下火になってきていますが,今月中はB型も含めて流行は残ると思われますのでご注意下さい.
 その他には,この時期に毎年流行るロタウイルスを中心としたウイルス性胃腸炎と,水痘,溶連菌感染症が多めに推移しました.年末から流行が続いていた伝染性紅斑(りんご病)は,ワクチンもないし発疹が出たときには既にお互いにうつしあった後ですから防ぐ手段はなく,もうしばらくダラダラと続くものと思われます.


● 日本脳炎の予防接種

 以前お知らせしたとおり,4月中旬より日本脳炎の予防接種が市の定期接種(無料)で行なえることになりました(県内の他市町村でも同様です).これまでも北海道と青森県以外では定期接種で実施されていたのですが,青森もやっと他の県に足並みを揃えることができました.
 日本脳炎は,現在でも東南アジアや中国・インドなどでは流行が続いており,日本でも予防接種のため患者数は激減しましたが,西日本を中心に年間数名の方が脳炎を発症しています.ということは,かかったけれど脳炎にならない方は実際にはもっと多いということになります.いったん発症すれば死亡や後遺症を残す割合も高く,一生東北から一歩も出ないという方以外は,免疫をつけておいた方が良いと思われます.
 予防接種の副反応は三種混合と同等またはそれ以下とされています.

<接種年齢>
第1期初回 生後36か月〜90か月(7才6か月)未満(標準で3歳)
      :1〜4週間隔で2回(実際には4週間隔)
第1期追加 同上:初回終了後1年(標準で4歳)
第2期   9歳(第1期追加接種を終了している人)
第3期   14歳(第2期を終了している人)

 合計5回の接種になりますが,現在7歳以上になっている方は,これまでのような任意接種(自費)で所定の回数を終わらせないと次の定期接種(2期3期)も接種することができません.これは過渡期のため仕方がないことなのです.他県から転入してきたり,自費で所定の回数を済ませている方は,2期3期の接種が行なえますので御連絡下さい.
 これまで行われていなかった予防接種ですから,良くわからないことがあるかと思います.受診のときや予約の際に御相談下さい.

予防接種のページ


● お薬の飲み方メモ

 症状の軽い子なら薬が飲めなくても治っていくかもしれませんが,悪くなってくるとどうしても必要になってきます.ところが,そういうときに限って全然飲めてなかったりすると,こちらもどうしようかと考え込んでしまいます.「飲めない」というのは2±1歳が中心で,それより小さいときには飲めたのに最近飲めなくなったという子も多いようです.攻略法も硬軟取り混ぜて色々ありますが,基本的には北風ではなく太陽路線で迫っていきながら,最終的には薬の必要性まで含めて自分で納得して飲んでもらうことが目標になります.
 最近耳にした方法では,「ジャムクラッカー作戦」が結構良いとのこと.いちごジャムに薬を練り込んでクラッカーにのせて食べさせると,クラッカーのバリバリした破片が口に広がって薬の感触がわからなくなるらしい.その他に,明治製菓の牛乳ドリンク「ミルアップ」,和光堂「ミルクプラス」牛乳でつくるシリーズ,CO-OP 胚芽ドリンク(ココア味)などの市販のフレーバーを添加する方法が紹介されています.
 私も結構苦みがある漢方薬を飲んでいて,毎日続けるのがちょっと億劫になっていたのですが,ごく少量の黒砂糖を混ぜて溶かすと,口当たりがマイルドになり驚くほど飲みやすくなったという経験があります.
 その他には最初に渡したパンフレットなどを参考にして下さい. 


● 花粉症の季節です

 八戸では例年3月下旬から4月上旬がスギ花粉のピークになります.毎年この時期に症状が出ることがわかっている人は,一般的なマスクなどの対策と共に,早い時期から飲み薬(抗アレルギー薬,抗ヒスタミン薬)を使い,点眼,点鼻薬を準備しておくと楽にシーズンを送ることができるようです.


● インフォメーション

○ 八戸市地域振興券の使用期間は3月18日〜9月17日です  これも以前お知らせしたとおりで,当院でもご使用になれます.ただし,階上町など他市町村の方は御利用できませんのであらかじめ御了承下さい.その他詳しいことは「広報はちのへ」をご覧下さい.

○ 今月のお薦めホームページ

 今回は八戸で子育てや子どもの心についての情報を発信しているページを紹介します.

☆ いちごルーム(たいなか保育園,子育て支援センター)
http://www.nttl-net.ne.jp/ichigo/room.htm
☆ 心の窓(教育相談室と八戸大学のボランティアサークル)
http://www.hi-net.ne.jp/~hareyama/


発行 1999年3月7日 通巻第36号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
webmaster@kuba.gr.jp
http://www.kuba.gr.jp/


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