禁煙外来案内 >> 禁煙外来パンフ
■ 『禁煙外来』 禁煙治療のすすめ方と大切なポイント くば小児科クリニック
- はじめに
- 禁煙外来・卒煙外来へようこそ。タバコとサヨナラして健康を選ばれたご決心を心から祝福し、そのお手伝いができることを嬉しく思います
- タバコには2つの依存症(ニコチンへの身体的依存と心理的依存)があり、何の手段もとらずに禁煙しても1年後には10人のうち9人が再喫煙してしまうと言われています
- しかし、ニコチン置換療法(ニコチンパッチなど)や経口禁煙補助薬を使うことにより、苦しまずに楽に禁煙を始められるようになりました
- 禁煙に失敗したことのある方も、何度でも気軽にチャレンジしてください
- お渡しする資料
- 禁煙外来のご案内(この冊子)
- 「子どもに無煙環境を」(『健康を学ぼう!! 生活習慣病−予防と対策−』より)
- 「タバコの煙は子への虐待!」「妊婦のタバコで胎児が窒息!」(静岡県立こども病院 加治正行先生作成)
- 『タバコと健康 あなたはどちらをえらびますか』(山形県喫煙問題研究会)
- 『タバコの害から子どもたちを守るために』(日本外来小児科学会)
- 『禁煙ガイドブック』(ニコチンパッチの使い方など)
- 『禁煙手帳』『ニコチン依存症』(チャンピックスの使い方など)
- どうして禁煙するのか、禁煙するとどういう良いことがあるのか、もう一度確認してみましょう
- タバコか健康か - 健康を選ぼう <タバコの害の真実>や、お渡しした資料を参考に
- 『ガイドブック』4ページに書き込んでみましょう
- どうして吸い始めたのか、いまはどんなときに吸いたくなるのか、思い出してみましょう
- 禁煙成功後の再喫煙を防ぐためには、自分の喫煙行動を把握しておくことが大切(敵を知り己を知れば百戦危うからず)
- あなたのニコチン依存度をチェックしてみましょう
- 簡易ニコチン依存度テスト(『ガイドブック』7ページ)
- ニコチン依存症スクリーニングテスト →問診票に記入
- 苦しまないで禁煙に成功するための方法とは?
- 薬物療法
- ニコチン置換療法(ニコチンパッチやニコチンガム)
- 経口禁煙補助薬(チャンピックス)
- 心理的依存に対する「条件反射対処方法」
- 周囲の人やネットワークによる支援・応援
- 禁煙開始日を決めましょう
- すぐに禁煙するか、準備期間を置くか
- 特別な支障がなければ、決心して受診したその日か翌日から禁煙を始めましょう
- チャンピックスの場合は服用開始後8日目から禁煙を開始します
- 週末や休暇前、大事な会議の後など、禁煙をスタートしやすい日を選んでも良い
- 誕生日やお正月、結婚記念日などの特別な日からスタートするのも良いでしょう
- 必要なら禁煙補助グッズを用意しておく
- 禁煙宣言書に家族などの支援者と一緒に名前を記入し、タバコ、灰皿、ライターなどを処分する
- その日がきたら、きっぱりとタバコはやめます
- 本数を減らしていって禁煙する方法は苦しいだけで効果がありません
- 禁煙外来を受診する
- 標準的な受診スケジュール
- 初回:問診票記入、診察、タバコの害や治療の概要などについての説明、禁煙補助薬の処方
- 禁煙スタート、毎日の記録をお渡しする「禁煙日記」に記入
- 保険診療の場合は、2、4、8、12週目に受診(合計5回)
- チャンピックスの場合、新薬で4週分の処方ができないので、6、10週目にも受診が必要になります(2009年4月まで)
- 禁煙治療は個人差が大きいので、治療・投薬期間が短めですむ場合もありますが、特に副作用などの問題がなければゆっくり時間をかけて離脱していった方が確実です(早く禁煙できたから長く続くとは限りません)
- 禁煙に成功した場合でも、できれば1年後にもう一度受診してお話しを聞かせてください
- 検査
- 呼気中一酸化炭素(CO)濃度測定:マイクロCOモニター
- 1日の喫煙本数に比例して高くなります(20本なら20ppm前後)
- 禁煙後速やかに低下し、2回目の受診時には非喫煙者(0〜3ppm)に近い値になるはずです
- 健康保険が使えず全額自費診療になるのは次のような場合です
- 喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200未満の場合
- ニコチン依存症スクリーニングテストが5点未満の場合
- 薬物療法の選択
- くすりの種類
- ニコチン製剤
- ニコチンパッチ「ニコチネルTTS 30, 20, 10」
- ニコチンガム「ニコレット」(保険診療では処方できません)
- 経口禁煙補助薬「チャンピックス 0.5mg, 1mg」
- ニコチンパッチとチャンピックス、どちらを選ぶか?
- 虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の方にはニコチンパッチは使えません
- うつ病や統合失調症など精神疾患のある方には、チャンピックスは慎重に投与する必要があります
- 過去にニコチンパッチを使って禁煙に失敗している方や、肌のかぶれなどでニコチンパッチを継続できなかった方は、チャンピックスを選んだ方が良いでしょう
- 心疾患・精神疾患がなく、過去にニコチンパッチでの失敗経験がない方(大多数の方)は、どちらを選んでも構いません
- 禁煙の成功率は、ニコチンパッチよりもチャンピックスの方が高いというデータが出ています
- 以上をまとめると次の表のようになりますが、この選択基準は諸情報をもとに選択の目安として当院で作成したもので、まだ定まったものではありません
NRT=ニコチン置換療法、V=バレニクリン(チャンピックス)
- 経口禁煙補助薬「チャンピックス」の特徴と使い方
- 特徴「2つの作用でニコチンとサヨナラ」
- 脳神経細胞の「ニコチン受容体」に結合することで、
- 少量のドパミン(快感物質)を放出させ、イライラなどのニコチン切れの症状を軽くします
- 外から入ったニコチンが結合するのをブロックするので、タバコを吸ったときの満足感が得られなくなり、タバコを吸いたい気持ちがなくなっていきます
- 効果
- 12週間後の禁煙成功率は65.4%で、ニコチンパッチ(40%程度)よりも成功率は約1.5倍(何も使わないよりも約3倍)高くなります
- 飲み方
- 第1週 喫煙しながら自然に本数を減らしていきます
- 1〜3日目 0.5mg錠 1日1回(時間は問わない)
- 4〜7日目 0.5mg錠 1日2回(朝夕食後)
- 第2週〜第12週 8日目に禁煙開始
- 8日目〜 1mg錠 1日2回(朝夕食後)
- 使用上の注意
- ニコチン製剤と併用しないこと
- 副作用などで薬を続けられない場合は、0.5mg1日2回に減量することもあります
- 腎機能障害がある場合は0.5mg1日1回〜0.5mg1日2回
- 小児・妊婦への安全性は確立していません
- めまいがみられることがあるので、車の運転には注意してください
- 副作用
- 主な副作用な、嘔気、頭痛、便秘、腹痛、不眠症などです
- 異常な夢を見ることがあるようですのでご注意ください
- 抑うつ、不安、精神疾患の悪化などがみられることがあるので、精神疾患のある方には注意が必要です
- 海外での多数の使用経験の中で自殺企図および自殺者が出ているとの注意情報が出されていますが、一般の喫煙者や禁煙者と比較して頻度が高いというデータはなく、因果関係も不明です(もともと喫煙者はヘビースモーカーほど自殺率が高い)
- ニコチン置換療法の実際
- どうして禁煙するためにニコチンを投与するのか
- ニコチンの血中濃度を一定のレベルで安定させて、喫煙欲求を抑えながら、ニコチンの投与量をゆっくり減らしていく(図12)
- ニコチン依存度によって
- 依存度強い → ニコチネルTTS 30 から
- 依存度中等 → ニコチネルTTS 20 から
- 依存度弱い、体格小柄、女性、未成年 → ニコチネルTTS 20または10 から
- ニコチン依存がほとんどない → ニコチン置換療法以外の治療
- ニコチンパッチ
- 長所と短所(別表)
- ニコチンパッチの方が使いやすく成功率が高い
- かぶれなど皮膚の弱い人には、抗炎症薬の軟膏を併用しながら続けるか、ニコチンガムを使用したり、チャンピックスに変更するなどの対処が必要です
- 貼りながら喫煙はしないで下さい。強い副作用が急激に出現することがあります
- 具体的な使い方や注意点などは『禁煙ガイドブック』をご覧ください
- 2008年よりニコチネルTTS 20・10に相当する薬を薬局で購入できるようになりましたが、保険外のため費用がかかるのと、外来に通うことで禁煙の成功率が高まることもあり、これまで通り禁煙外来での処方をお勧めします
- ニコチンガム
- 朝一番のニコチン欲求に対して(ニコチンパッチと併用することも)
- かぶれやすい人や、ニコチン依存は強くないが口寂しさなどの解消には有効
- 使いやすさや効果はニコチンパッチより劣る
- 薬局で医師の処方なしに購入することができる
- ごく稀に、ニコチンガムの依存症になることがある
- それでも吸いたい気持ちなったら「条件反射対処方法」…この中から自分に合った方法をいくつか試してみましょう
- 冷たい氷や熱い茶を少しずつ飲んだり、冷たい水で洗顔
- 痛み刺激で気を紛らわせる(掌の刺激、耳のつぼ)
- 歯ブラシなど、禁煙グッズを使う
- 体を動かす(軽い体操、散歩、掃除、入浴など)
- 野菜を多く食べる
- ストレスは2週間さける
- 他人のタバコの煙に近寄らない(特にお酒の席にはご用心)
- 気楽な気持ちで禁煙時間ををのばしていく
- 深呼吸とリラックス法を習得する
- 禁煙して、良くなったと感じられることをチェックしてみましょう
□ 咳や痰(タン)が減った
□ 息が続くようになった
□ 目覚めがさわやかになった
□ 食べ物の味や香りよくわかり、美味しく食べられるようになった
□ 歯みがき時の吐き気がなくなった
□ 胃の調子が良い
□ 肩こりが消えた
□ 頭痛が消えた
□ 肌の調子が良くなった
□ 声が出やすくなった
□ 歯にヤニがつかなくなった
□ からだが軽く感じられるようになった
□ 熟睡するようになった
□ 持ち物が少なくなった
□ 火事の心配が減った
□ 外出前に灰皿を確認しなくてよくなった
□ すいがらの始末を心配しなくてよくなった
□ 喫煙場所かどうか気にしなくてよくなった
□ タバコの買い置きがあるかどうか心配する必要がなくなった
□ 口臭を気にしなくなった
□ 気持ちが楽になった
□ 自分に自信もてるようになった
□ その他( )
- 「禁煙太り」を防ぐ
- 本当に禁煙すると太るのか、タバコを吸うとスリムでいられるのか?
- 禁煙すると、食べ物を美味しく食べられるようになり、食欲も亢進する
- 口寂しさをキャンディーやガムなどで代償すると摂取カロリーが増える
- 禁煙して体重が増えるのは全体の80%(平均1.5kg)、6kg以上太る人は2.8%、中にはやせる人もいる
- 実際には多くの人は2〜3kg程度で、健康や美容上のリスクは問題にならない
- タバコを吸うことは、体重が45kg増えたことと同じリスク
- 「タバコを吸うとやせる」というのは間違いで、実際には喫煙者の方が太っている率は高い(図13)
- 「禁煙太り」を防ぐ方法は、単純明快
- 食事…三食規則正しく、野菜をたっぷり採り、油分を控え、栄養のバランスを考え、よく噛んでゆっくり食べる
- 間食…キャンディーやガムではなく、歯みがきをしたり、お茶や水を飲んだりして摂取カロリーを増やさない
- 運動…生活習慣の改善、口寂しさの代償行動、そしてカロリー消費のために運動の習慣をつける
- いったん禁煙に成功した後の「再喫煙」を防ぐ
- 「1本だけなら…」の誘惑を消し去るためには?(『ガイドブック』21ページ)
- タバコの「幻想」を再確認=良いことは何一つなく、人をだまして命もお金も奪い去る悪魔
- 「どんなときに吸いたくなるか」を再確認
- 禁煙できたことに自信を持つ=生まれ変わった新しい人生
- 運動などの新しい良い生活習慣を取り入れる
- 周りの人にも禁煙をすすめる(自分も再喫煙しにくくなる)
- 禁煙サポートグループに入る
- 一般向けの禁煙入門書を読む
- 『笑って禁煙できる本』 禁煙研究家ワイネフ著・白夜書房(952円+税)
- 『やめる禁煙、治す禁煙』 薗(石川)はじめ著・大月書店(1400円+税)
- インターネット上の禁煙支援情報
- 卒煙ネット(携帯メールで禁煙支援:月額273円) http://www.omronsoft.co.jp/SP/hms/sotsuen.htm
- 青森県タバコ問題懇談会 http://aaa.umin.jp/
- 現在インターネット禁煙マラソンはお勧めしてません
- サイト内の禁煙ページ(一部)
- 子どもを喫煙者に育てないために http://www.kuba.gr.jp/care/muen/
- 電子メールで禁煙をサポート
- E-mail : webmaster@kuba.gr.jp
- 24時間のサポートや、急ぎのご質問には対応できませんので、あらかじめご了承ください
- ご利用できるのは、禁煙外来・卒煙外来を受診して、メールアドレスも登録された方のみとさせていただきます
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