■ くば小児科クリニック 院内報 1999年2月号
2月といえば「えんぶり」.実際にはこの頃が一番寒く3月に入ってもまだまだ寒い日が続くにもかかわらず,やはりえんぶりが終わるともうすぐ春が来るということを感じることができます.インフルエンザやその他の冬の風邪の流行も,この頃を境に下火になっていきます.
● 院内版感染症情報 〜1999年第05週(1/31-2/6)
1998年 第40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 01 02 03 04 05 インフルエンザ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 22 37 41 52 感染性胃腸炎 8 10 11 9 5 10 10 6 8 15 18 9 7 13 11 14 13 15 伝染性紅斑 1 0 0 0 0 0 0 1 0 3 4 1 3 5 4 5 7 4 水痘 0 0 2 0 0 0 2 5 2 4 1 5 5 7 6 5 4 2 乳児嘔吐下痢症 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 2 0 2 2 2 突発性発疹 2 0 1 2 2 2 2 3 4 5 4 2 1 1 1 2 1 1 麻疹 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 異型肺炎 0 0 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 溶連菌感染症 1 0 0 0 0 0 4 0 4 1 2 1 0 0 1 1 2 0 ウイルス性発疹症 2 3 3 2 1 2 0 1 0 0 0 4 0 1 0 1 0 0 手足口病 0 2 1 0 0 2 0 1 2 0 0 1 0 0 2 0 0 0 流行性耳下腺炎 1 0 1 0 2 0 2 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 ヘルパンギーナ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 MCLS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0○ インフルエンザの流行(昨年との比較)
第01 02 03 04 05 06 07 08 09週 1998年 0 0 5 42 146 131 53 20 0 1999年 0 22 37 41 52インフルエンザは1月の第2週頃から急増しましたが,今年の流行は大人と老人,そして乳幼児がメインで,昨年の大流行の際に多数が罹患した小中学生では小規模の流行にとどまりそうです.重篤な合併症を引き起こしているのは主にA香港型で今月中はまだ流行は残り,この時期にB型との混合感染になるのがここ数年のパターンでした.また,冬の風邪はインフルエンザだけではないので,春先まではまだ油断はできません.予防対策(うがいや手洗い)はひきつづき行っていきましょう.
★これまでも,感染症週報はホームページの掲示板(BBS)に掲載しておりましたが,今月からデータベースファイルに入力してホームページに公開することにしました.もちろん,待合室のマックから見ることもできます.
http://www.kuba.gr.jp:591/ishikai/kansen.html
● 生殖医療の行方
このところ,非配偶者間体外授精,受精卵遺伝子診断など,生殖医療に関するニュースが間断なく聞こえてきます.NHK「地球法廷:生命操作」という番組をご覧になった方もいるかと思います(http://www.nhk.or.jp/forum/life/index.htm).最近,ダウン症候群などを対象にした母体血清マーカー検査というものも行われており問題になっていました.このほど厚生省ではこの検査に対する見解案をまとめました.内容については触れませんが,私は妥当なものと考えています.興味のある方はご一読を.
http://www.mhw.go.jp/topics/bosyuu/tp1215-1_18.html
● 医療制度改革が潰される?
子どもの頃は,新聞が偏った記事を載せるなどとは考えたこともありませんでした.あるいは今でも特に疑問を感じない方もいるかもしれません.ところが,ちょっと比較してみただけでも,多くの社会的な問題などで,それぞれの新聞社が独自の立場に立って,ときには一方的ともとれる記事を掲載していることに気づかれると思います.また,そうでない場合には,警察などの発表をそのまま載せた記事が多く,長野五輪の例を出すまでもなく,チェック機能が不十分という問題もあります.
医療制度改革の問題についても,本来国民の側に立って制度の問題をつくべきマスコミが,医療側をスケープゴートにしながら,結果的に行政や企業(健保)の目論む方向へ誘導しようとしていると邪推したくなる記事を目にすることがあります.この問題は,医療費のみを前面に出して論じていってその先にどんな将来が待ちかまえているのかを知っておく必要があります.「改革」の先進国であるアメリカでは,合理化の名のもとにいま多くの矛盾・問題点が吹き出しており,それは結局患者の側に跳ね返ってくることになります.その徹をそのまま踏むことにならないよう,一面的な意見に踊らされずに考えていかなくてはいけません.(抽象的ですが,最近のある記事を前提にして書きました.)
● インフォメーション
○ 保湿剤(スキンケアクリーム,ローション)
1月号にも書きましたが,セラミドという成分の含まれた保湿剤を取り扱っています.ご希望の方は受診の際にお申し出下さい.
○ ドナーカード
12月号でもお知らせしたように窓口において自由にお持ち帰りいただくようにしておりますが,ほとんど減っていないようです.実を言うとうちでもカードは2枚もらったのですが,まだ記入してませんでした(これから書きます^^;).今の移植医療の制度がベストのものではないということは,皆さんも感じられているのかもしれませんが,試しにカードとパンフレットを持ち帰って話題にしてみませんか.
○ 「エコロ」
市内のバンクスというところで発行している「エコロ」という環境情報誌を購入することにしました.最新号では,新田川の噴水問題や青潮小学校のビオトープの記事などが掲載されております.待合室にファイルして置いておきます.
http://www.printier.com/ecolo/index.html
発行 1999年2月7日 通巻第35号
編集・発行責任者 久芳 康朗
〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197
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