今年のインフルエンザの予防接種について 2003-2004年版


 今年も冬の流行に備えて10月からインフルエンザの予防接種を実施します。例年通り、小児には2回の接種が勧められます。

 今年は世界的なSARS流行後はじめて迎える冬であり、SARSとインフルエンザの混合流行が懸念されております。SARSとインフルエンザの初期症状はどんな名医でも区別することはできず、インフルエンザの診断キットも100%の精度ではありません。SARSに関してはワクチンはなく、診断キットも一般医が使えるレベルにはなってきていません。唯一できる対策は、インフルエンザの予防接種を徹底的にすすめることであり、WHOや厚生労働省でもハイリスク者を中心に多くの人への接種を呼びかけています。ワクチンが品切れにならないように多めに確保してありますが、早めの予約をお勧めします。

 接種する場合は、なるべく年内に2回目が終わるようにスケジュールを組みましょう。流行が始まってから接種してもほとんど効果は期待できません。

☆☆ なお、高齢者は公費(一部負担あり)で接種できるようになりましたが、残念ながら子どもには一切補助はありません ☆☆


【1】任意接種 = 全額自費 … 0歳〜64歳

● どんな人が接種した方がいいのか?

○ 生後6か月未満 : 積極的に接種を勧めているわけではありませんが、生後6か月以降の子と同じように接種すれば抗体は上昇することがわかってきました。本人ではなく家族が予防接種を受ける方法もあります。

生後6か月以降 : 保育園に行っている子やハイリスク児を中心に、特別な問題がない限りどなたでも接種できます。特に接種が勧められる方は、
・心臓病、腎臓病、呼吸器の病気(喘息を含む)などの慢性の病気がある方
・乳幼児および高齢者、家族に乳幼児や高齢者がいる方
・教師、保母・保育士、医療・福祉関係者、警察・消防関係者など

● 方法
・1歳未満:0.1ml 皮下注射 × 2回 (3,000円/回)☆
・1〜5歳:0.2ml 皮下注射 × 2回 (3,000円/回)☆
・6〜12歳 :0.3ml 皮下注射 × 2回 (3,500円/回)☆
・13〜64歳:0.5ml 皮下注射 × 1回または2回 (4,000円/回)

※2回接種する場合の接種間隔は1〜4週間ですが、可能なら4週間あけて下さい。

同時接種割引について
 なるべく多くの方が受けやすくするために、今年は試行的に13歳未満で2人以上の方が同時に接種する場合、それぞれの料金から500円ずつ割り引いてみることにしました。同時に予約して同じ日に接種していただければ、兄弟姉妹だけでなく、イトコや近所のお友達同士でも構いません。

 なお、任意接種の料金は病院によって異なり、地域で価格を統一すると独禁法違反になります。また、料金=ワクチン代ではありませんのでお間違いなきようお願いします。

【2】予防接種法による高齢者への接種 … 10月20日〜12月20日(八戸市)

● 対象
・65歳以上の方(希望者のみで義務ではありません)
・60〜64歳で、心臓、腎臓、呼吸器、HIVにより免疫機能に障害を有する方

● 方法
・0.5ml 皮下注射 × 1回(ウイルスの型に大きな変異がある場合は2回)

● 料金
・八戸市:自己負担は1,000円(残りは自治体から補助)

※成人および高齢者への接種は、当院に通院されているお子さんのご家族に限らせていただいておりますので、なるべくかかりつけの内科医で接種を受けて下さい。

くば小児科クリニック

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