ほっぺがりんごのように赤くなるので,りんご病とよばれています.太ももや腕には赤い斑点やまだら模様ができます.頬がほてったり少しかゆくなることもあります.
● 原因
ヒトパルボウイルスB19というウイルス感染によって起こります.幼児期〜学童に多く,春から初夏にかけて流行することが多いようです.感染経路は飛沫感染が主で,潜伏期は6〜11日,発疹出現までは16〜18日です.
● 症状・合併症
発疹が出る1週間〜10日位前に,発熱,筋肉痛,倦怠感がみられることがあります.両側のほっぺの発疹から始まり,1〜2日後には肩から腕,大腿に赤い発疹が出現し,数日後にはまだらなレース編み模様になります.発疹は痒みを伴うことが多く,通常5〜7日で消えていきますが,いったん消失した発疹が日光や運動などによって再び出現してくることがあります.
年長児〜成人では腰や膝の関節痛がみられることがあります.
ごくまれに,脳炎・脳症,心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります.先天性の溶血性貧血の子がかかると貧血が急激に悪化します.また,免疫不全状態の子がかかると重症化します.
妊婦の感染により胎児の貧血とそれに伴う子宮内発育遅滞や胎児水腫が認められることがあります.感染したのに症状が出ない場合(不顕性感染)もありますので,妊娠中に上の子が感染した場合は必ず産婦人科で相談するようにして下さい.
● 治療
自然に治りますが,かゆみが強いときは抗ヒスタミン薬を処方します.関節痛に対して鎮痛剤が使われることがあります.
● 家庭で気をつけること
1)食べ物:いつものとおりでかまいません.
2)入浴:かまいません.ただし熱い風呂に長く入ると赤みが強くなって長びくことがあるので,短時間できり上げましょう.
3)運動:運動で体が熱くなったり日光に長くあたると,長湯と同じように赤みが長びきます.
● 保育所・学校
頬が赤くなったときは,すでにうつる時期をすぎているので,行ってもかまいません.しかし,あまりまっ赤な頬なら2〜3日休ませたほうが無難でしょう.
● こんなときはもう一度診察を
1)かゆみが強くなったとき.
2)高い熱が出たとき.
3)元気がなくなってきたとき.
● 予防
予防接種はありません.発疹が出たときにはすでに流行が広まったあとなので,特別な対策も必要ありません.
1998年8月10日作成
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