■ ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)のケア

 →詳しくは「下痢と嘔吐」のページを参照してください。ここに掲載したプリントは、外来や急病診療所で最低限の説明・指導をするためにつくられたものです。

・冬場に流行するウイルス性の胃腸炎(嘔吐下痢症)です。ウイルス性なので、薬よりも症状に合わせた適切な看病の方が大切になります。

・吐き気は半日(一晩)から1日くらい続き、次の日からは下痢がメインになってきます。それと入れ替わるようにして吐き気はおさまっていきます。

・熱は出ないか、出たとしても一晩くらいで長く続かないことが多いようです。

・吐き気がある最初の一晩に、飲ませて吐くのを繰り返すとかえって悪化して脱水になることもあります。吐き気がおさまるまでは、水分もとらせないで下さい。眠っているのなら、そのまま朝まで何もとらせずに眠らせてあげて下さい。

・のどが渇いて水分をとりたがる場合でも、最後に吐いてから最低3時間以上過ぎてから、小さい子はスプーン1さじ、大きい子はほんの一口だけにします。再び30分〜1時間あけて、次は2さじ(二口)というふうに少量ずつにしていきます。

・もしまた吐いてしまったら、再び3時間以上の絶飲食のところからやり直します。最初の半日(一晩)が過ぎると、次の日からはとれるようになってきます。

・便が出ていなかったり、硬い便が残っていると、腹痛や吐き気がひどくなることがあります。浣腸して出してあげるのが吐き気止めの薬よりも有効です。吐かないで下痢だけになってくれば、少しずつ楽に過ごせるようになってきます。

・腹痛は便が出たり吐いたりすればいったんはおさまりますが、時間をおいて周期的に痛くなります。お腹を温めてあげると少し痛みがやわらぎます。

・お腹をこわしているときに牛乳は厳禁です。湯冷まし、白湯、イオン飲料(冷たくないもの)、お茶、薄いスープなどが適しています。

・飲み薬(整腸剤など)は、水分がとれるようになってから飲ませて下さい。

・食べ物は、水分が十分にとれるようになって吐かないことを確認してからです。1日何も食べなかったくらいで、栄養失調になったりしません。最初はおなかを休めてあげることが最も大切な治療です。

・食べ物は、まずおかゆです。ごはんには整腸作用もあります。便の硬さに応じて、お粥の硬さを調節して下さい。味付けしたり、何かをかけて食べても構いません。経過が何日も長引くのは、食事の内容に問題がある場合が多いのです。

2001.01.27作成
くば小児科クリニック 久芳康朗

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