平成14年10月2日

JR東日本盛岡支社 八戸駅長 東 保身 様

青森県保険医協会 会長 河原木俊光
       担当理事 久芳 康朗

「健康増進法」にもとづく八戸駅における受動喫煙防止対策についての要請

 拝啓 仲秋の候 貴職におかれましては市民待望の新幹線開業にむけてますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
 私ども青森県保険医協会は、患者も医師もともに喜び合える医療をめざして地域医療に勤しんでいる医師・歯科医師約1,260名の団体です。
 さて、過日の八戸新駅舎オープン以来、新しく快適となった素晴らしい駅舎を何度か利用させていただき、間近となった新幹線開業を肌身に実感しております。駅舎の自由通路や待合室、みどりの窓口なども禁煙の表示がしっかりとなされており好感を抱きました。
 しかしながら、2・3番線の階段上にある喫煙所は間仕切りのない空間に空気清浄機が1台置かれているだけで、受動喫煙を防止する役割を果たしているとは言えず、JR東日本には新駅舎オープン前に電子メールで質問と要望を出していただけに大変遺憾に思いました。空気清浄機は分煙には役に立たないことは厚生労働省からも報告されており、メーカーでもその事実を認めています(別紙資料参照)。また、在来線のホーム中央部には列車待ちの人の間に喫煙所があり、ここでも受動喫煙を余儀なくされているのが現状です。
 さらに、来る12月にオープンする新幹線のホームにはフード状の屋根が設置されているため、換気効率が悪く受動喫煙の害が及びやすいものと考えられます。
 言うまでもなく、駅は不特定多数の人が行き来する公共施設であり、その中には妊婦や子ども、心臓病や喘息などの持病を持つ人も含まれます。それ以外の方にとっても、受動喫煙は10万人あたり5,000人もの人を死に至らしめる、健康をおびやかす最大の環境問題と言って過言ではありません(別紙資料参照)。
 残念ながら八戸駅の現状は、受動喫煙防止措置を定めた2003年4月1日施行予定の「健康増進法」第25条に違反しているものと判断されます。

第二節 受動喫煙の防止
第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

 新しい世紀の新幹線開業という節目を迎えて、八戸駅が新しい法律に従って利用者の健康に十分に配慮した対策をとれば、全国のメディアからも注目されクリーンなイメージを発信することが可能であり、大きな広告効果も得ることができると確信しております。

以上の事実をふまえて、次の3項目について早急に対策をお取り下さるよう要請いたします。

要 請

  1. 駅コンコース内の喫煙所を撤廃して駅舎内禁煙とするか、間仕切りと排気装置が設置された「完全分煙」環境とすること。(分煙の方法については別紙資料をご覧下さい)
  2. 在来線ホームの喫煙所を撤廃するか、列車待ちの人から十分に離れたホーム両端に配置して受動喫煙を完全に防止すること。
  3. 適切な換気が期待しにくい新幹線ホームは禁煙とすること。

 なお、上記の件についてあらためまして直接お伺いして趣旨を説明させていただきたいと存じます。一両日中に電話で連絡してご都合をお伺いしたいと思いますので、ご配慮の程よろしくお願い申し上げます。

<別紙資料>

・飲食店向けメッセージ(健康増進法の説明と禁煙が増客になること)
・飲食店の受動喫煙対策〜その具体的方法
・健康増進法カード(名刺大カード・裏表)
・受動喫煙は生命を危険にさらします(横長カード)
・有効な受動喫煙対策(横長カード)

・空気清浄機がタバコに無効な理由
・タバコ煙の有害物質(96.7%はガス相成分で、ニコチンも95%は気化します)
・東奥日報記事 2002年5月29日(空気清浄機は分煙には無効)
・東奥日報「明鏡」 2002年9月2日(弘前大学坂野先生)
・空気の美味しい八戸のお店〜八戸市および周辺地域の禁煙・分煙施設情報

<連絡先>

〒031-0823 八戸市湊高台1丁目12-26
くば小児科クリニック 久芳 康朗
E-mail : webmaster@kuba.gr.jp

〒030-0813 青森市松原1丁目2-12 青森県保険医会館内
青森県保険医協会 事務局
E-mail : hokeni@ahk.gr.jp

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