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会議室:「くば小児科BBS」

「お受験」報道にみるマスコミの単純思考についての考察

発言者:くば
(Date: 1999年 11月 27日 土曜日 12:04:54)


(本日多忙につき本文は後日に:先にコメントをつけていただいても結構です)

親同士ピリピリ 有名幼稚園・小学校がひしめく地域


くば さんからのコメント
(1999年 11月 27日 土曜日 22:24:00)

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山田容疑者はこれまでの調べに対して「春奈ちゃんの母親と心のぶつかり合い
があった」と供述していた。

調べに対して「子供を通じた付き合いの中で、表面的なものでなく、長い間の
心理的なもの。言葉で言い表せない」と供述し、母親同士の長期の確執が殺害
の動機になったことをほのめかした。
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やはり今晩は考察までたどり着けそうにないので,先にポイントの部分を引用
しておきます.今のところ,報道されている供述はこれが全てで,その他は全
て近所の人の話や警察からリークされている憶測をもとにして記事を書いてい
るようです.

しかも,毎日に限らずほとんどの記者は本人の言葉をちゃんと読んでいないら
しい.もし読んでいれば,一連の「お受験」報道が「表面的」であることに気
がつかないはずがないと思うのだが,そこまで記者の能力を信用することもな
いか.. (つづく)

特集:幼女殺害事件(毎日新聞)


くば さんからのコメント
(1999年 11月 28日 日曜日 12:03:05)

今回の報道で誰がどんなことを言ったのか,きちんと覚えておきたいと思う.
全てをチェックしているわけではないが,最悪だったのは木村太郎.言うに事
欠いて,「日本にはどんなことでも人のせいにする風潮がはびこってきている
のではないか.リストラされたのは会社のせい,受験に落ちたのは他の人が受
かったから...」とのたまったのである.これには開いた口が塞がらなかった.
これについては詳しく評論しなくてもわかると思うのでコメントしません.

TBSは筑紫哲也が海外出張のため,瀬戸(瀬古?)キャスターが「なぜその時
に自分の子どもの顔が頭に思い浮かばなかったのか」という至極常識的なコメ
ントを述べていた.これについてはまさにその通りなのだが,そういう心理状
態ではなかったのだろうというところにこの事件が尋常ではないポイントがあ
るわけであり,もう一歩の踏み込みがなければ街頭のインタビューと何ら変わ
るところがない.(実際にはほとんどの報道はこのレベルで終始しているので
あるが)

27日夜のテレビ朝日「ザ・スクープ」は,もっと露骨に「お受験」を焦点に番
組を作っており,お受験殺人“ゆがんだ母性”なるサブタイトルもテレビ欄に
掲載されている.ということは前日(26日)から既にこのタイトルは決まって
いたわけだ.途中からみたのだが,容疑者を知る人のインタビューをみると,
誰に聞いても容疑者は全くそのようなことをするとは思えない人だということ
であり,その次に「お受験」に関する(事件と関係のない)母親のインタビュ
ーで構成され,最後に「積もりつもったねたみ」「受験によるいざこざ」「経
済的な問題」などが犯行の引き金になったのではないかと警察はみて捜査を続
けている,として終わっている.

つまり,警察が予断を持って捜査しているリーク情報をもとに,その見方に対
しては何ら批判的見地を持たずにそのまま話を膨らませて報道してるだけであ
り,これでは報道機関としての体をなしていない.

さすがにキャスター(名前忘れた)が「ちょっと違うか,それだけではないだ
ろう」と述べたのは,報道人としてわずかながらの良心を示したと言えるかも
しれない.

そもそも,このような痛ましい異常としか言いようのない犯罪が,単純な受験
によるねたみといった「言葉で言い表せる」表面的な理由で全て説明がつくは
ずがない,というのは素人でもわかりそうなものであり,しかもそのことは最
初から容疑者本人が「言葉で言い表せない」と述べているのである.

その心の中の闇を知ることは,私たちにとっても重要なポイントであり,そこ
にこそ報道する義務がある.

しかし,今やっていることは深いところにある真実を探ろうとする姿勢ではな
く,一般の人にも読んでわかる表面的な原因をポンと当てはめて捜査当局も報
道者側も一般大衆も自らを納得させようとしているだけではないか.自分のわ
からないことには誰しも不安を抱くものであるが,わからないものを「受験」
とか「ねたみ」といったわかりやすいものに置き換えてとりあえず安心しよう
としても,何の解決にもならない.

あの神戸事件の時にも,「教育」とか「しつけ」とか「母親」とか様々な犯人
捜し報道が飛び交ったが,いずれも何の根拠もない憶測でしかなかったことは
皆さんも覚えているかと思う.

その愚を繰り返して警察発表に追随するだけのマスコミというのは,(未)

「お受験」自体の問題や,この事件との関連の有無は問うていない(未)

実名報道に対する疑問も再び浮上してくる(未)


くば さんからのコメント
(1999年 11月 28日 日曜日 12:15:11)

実を言うと,同じ新聞でも社説にはバランスのとれた意見が掲載されているの
である.これを現場の記者とベテランの解説委員とのギャップとして片づけて
いいものかどうか,判断に苦しむところだが.

社説:幼女殺害事件 捜査に必要な多様な視点(毎日新聞)


かさいたくみ さんからのコメント
(1999年 11月 28日 日曜日 18:42:41)

 それにしても、一次試験が「抽選」っていうのが怪しい。
なんなんだろ?、抽選って?。

 言い表せないストレスを感じるのはこうしたシステムによるところも
大きいと考えます。

 脱線しますが、私も最近、村の公営住宅に申し込みましたが、見事に
落選しました。とてもいい文書が届きましたよ。くやしいので打ち込ん
でやる!。地方の村の場合、こういうのは最初から入居者が決まってい
て、税金で建てられていることは、知ってはいるのですが・・・。
 ああ、訴えられそう。全部冗談だから、許してね。(これで大丈夫)
真実は当事者のみぞ知る(;-_-X;)。
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              割印
                      ××149号
                    平成11年11月24日
葛西拓美 殿
                  ××村長 云々間ぬん 印

 
          特定公共賃貸住宅落選通知書

 平成11年11月5日付けで、貴殿より特定公共賃貸住宅の入居申し込みを
受けましたが、村営住宅入居者選考委員会にて審査されたところ、入居
落選となりましたので通知します。
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A4に下半分の余白をとって、これだけ。


かさいたくみ さんからのコメント
(1999年 11月 28日 日曜日 18:49:38)

 ちなみにこの村長の云々間ぬんさん。現在病気で入院しているらしいの
だが、普通なら公務ができないヤツは潔く辞めるか、リコールが起きても
おかしくは思わないのだが、何故か?、連日見舞客でごった返しているそ
うだ。うーん、不思議だ。このリストラ時代に・・・(笑)。年なのに・
・・・。

こういう私も、木村さんには及ばないですが・・・、たぶん。


くば さんからのコメント
(1999年 11月 28日 日曜日 22:36:12)

おや,脱線したと思ったら,内部告発ですね.匿名でなくて大丈夫?
しかし,木村さんに関する文章が理解不能.わかる人にはわかるのだろうか.

元に戻ると,抽選だからストレスに感じることはないだろうと普通の人は考え
る.しかし,抽選でうちは落ちた(これは仕方がない)のに,あの子は通った
(許せない),という憶測で話を進めているのだろうか.

いずれにしても,その辺の細かいことは今は問わないことにしたい.何しろ
情報がまだ少ない.ということは報道機関も出てきている情報くらいしかわ
かっていないものと思われます.

本日はこれ以上進まず.毎日新聞にメールを出しました.読んでくれるだろうか.


くば さんからのコメント
(1999年 11月 29日 月曜日 8:23:39)

スーパーナイト(めんこい=フジ)

これも途中からみたが,やはり「お受験」のことだけ.
どうやらどこも他に話す材料を持ち合わせていないというのが実状のようだ.
ちょっと呆れる.

森本キャスターは父親の不在についてコメントしていた.これも常識的なとこ
ろだが,大事な視点.というよりも,容疑者と被害者の関係だけを考えていて
は解明しきれないでしょう.

この容疑者は心理的に追い込まれた状態にあり,想像だがいわゆるstress 
diseaseつまり病的な状態にあったのだろうと思う...それが裁判で問題に
なるような状態かどうかはともかくとして.

まだ核心部分は供述していないと伝えられるが,警察の捜査ではたして心の奥
底までさらし出せるであろうか.

ちなみに,ニュースステーションでインタビューに答えていた精神科医も「お
受験」では説明しきれないだろうとコメントしているし,これもインタビュー
に答えていた保育園の保母さん(?)は,もっと些細な日常的な出来事が積み
重なったのだろうと答えています.しかし,その後の番組ではそういったコメ
ントは聞かれていないように思う.どうしてこういった横並び報道しかできな
いのだろう.

実名報道の件

この容疑者は今までの報道の慣例からして実名報道の対象となることは理解で
きる.しかし,実名にしなくてはいけない必然性はどの程度あるのであろうか.
心神喪失状態ではないと判断する材料をマスコミは持ち合わせていたのだろう
か.バッグを持っていった計画性があるから正常だと言い切れるのだろうか.

被害者の悲しみや社会的影響を考えた際に,今の日本では匿名報道で押し通せ
るとは思えないが,当然の事ながら次に想像するのは容疑者の家族,なかんず
く罪のない子どもたちのことだ.

実の母が友人の妹を殺した.その名前や顔写真が何度も繰り返しTVで報道さ
れ(おそらく見せていないだろうが),引取先の父の実家がどこかまで報道し
てしまう(さすがに県までであったが).小さいながらも兄の方は事態を何と
なくわかっているのではないだろうか.この子どもたちがこれから一生背負っ
ていかなければいけない十字架のことを考えると,暗澹たる気持ちになる.そ
れにつけても,何故このような悲惨な事件が起きてしまったのか.二つの家族
を絶望の底に落としてまでこの容疑者を犯行にかりたてたものは何だったのか.
考えさせられるが私にもわからない.

まだまだ書きたいことはあるように思うが,適宜追加することにしてとりあえ
ずここまでとしたい.

ちなみに,報道されている「お受験」という現象がまともなものだとはとても
思えないし,幼稚園なら「みどり幼稚園」,小学校は「青潮小学校」が一番良
いに決まっているのである.(括弧内は各自あてはめて下さい)


くば さんからのコメント
(1999年 11月 30日 火曜日 16:13:30)

「殺害の動機と子供の受験失敗は一切関係がない。私は(受験など気にせず)
子供はのびやかに育てたい方針」

徐々に核心に迫りつつあるようですが,まだまだ奥深いところまで供述する
までには時間がかかるでしょう.

さて,今まで憶測でものをしゃべっていた報道関係者は首を揃えて出てきて
読者(視聴者)に説明して欲しいものだ.特に木村太郎キャスターは.

女児殺害:「動機と受験失敗は関係なし」とも供述 山田容疑者 


えの さんからのコメント
(1999年 12月 3日 金曜日 14:14:47)

報道に能力以上のことをさせていることも一因かと思います。
地方新聞には、中央は言うに及ばず、他の地方のニュースま
で、潤沢に供給されています。旅先で読んだ地方紙の記事が
家から持って出た地方紙と同じだったなんてことはよくある
ことだと思います。つまり、取材は一手に、販売はそれぞれ
で、式のやり方ですから、元が間違えば、地方紙全てが、枕を
並べて討死にとなります。全国紙もドングリでしょう。
今回の事件も、ニュースの源は警察です。性能の悪いスキャナー
でスキャンされた上に、警察官の拙い人間洞察で妙に色付けさ
れた警察発表の写真のようなものから、実像を割り出すのは、
取材をしないジャーナリストには不可能と言えましょう。


くば さんからのコメント
(1999年 12月 4日 土曜日 20:44:28)

もうひとつ,触れなければと思って書き忘れていましたが,一連の報道は被害
者の家族に対して追い打ちをかけることになりかねない,という点です.ある
程度の報道は必要かもしれませんが,不確実な情報とそれに基づく憶測とをご
ちゃ混ぜにしたやり方は,節度を欠いていると言われても仕方がないですね.
以前にも書きましたが,事実と伝聞情報をきちんと区別して報道すべきと思い
ます.

供述だってこれからまだまだ変わるかもしれないし,私たちが知りたいのは,
あるいは本当に問題にしたいのは,そんなことではないだろうと思います.

また,「お受験」自体は望ましい風潮ではないと書きましたが,もちろんその
中にいる人たちを責めるつもりは毛頭なく,逆にその人達に対しても無神経に
「異常さ」を強調して(あたかもそれがエスカレートすると人を殺してもおか
しくない現象のように)取り上げるマスコミに対して腹を立てて,こういった
書き込みを始めたのでした.

これからまた「文春」を買ってくるつもりですが,特別なことがなければ取り
あげません.この辺で一区切りにして,当事者の方たちに十分配慮して冷静に
検証した記事を待ちたいと思います.

春奈ちゃん事件:母親が「我が子に邪険な態度」−容疑者


くば さんからのコメント
(1999年 12月 10日 金曜日 20:28:13)

やはり心配していたような展開になってきました.
容疑者に対する詮索が一段落ついたら,今度は「容疑者への同情論」そして
最悪の「被害者の母親(グループ)バッシング」へ.

(今週の新聞に掲載されていた週刊誌の見出しから判断したもので,内容は読
んでいないのでわかりませんが,大体想像がつきます)


えの さんからのコメント
(1999年 12月 10日 金曜日 21:04:26)

こんな感じですね。
週刊誌こそ、おサバイバルで大変そうです。

中吊り


くば さんからのコメント
(1999年 12月 18日 土曜日 21:17:09)

今週号の週刊金曜日に一連の報道に関する記事あり.


くば さんからのコメント
(2000年 6月 28日 水曜日 0:07:05)

久しぶりにこのスレッドを書庫の底から掘り出してきてコメントします。
毎日新聞社からこの事件に関する臨床心理士の書いた本が出ていますね。
「窒息する母親たち」
ネットで注文して届いたのですが残念ながらまだ読んでいません。
この事件に関しては、フォローをしていきたいと思ってます。
昨日(27日)開かれた第3回公判の記事ですが、胸うつものがあります。



若山春奈ちゃん殺害:感情のすれ違いで 被告調書 第3回公判