会議室:「くば小児科BBS」
昨日のニュースにありましたが, エキノコックス 本州で初めて確認/青森で飼育のブタから検出(河北新報) http://www.kahoku.co.jp/NEWS/1999/10/19991019J_04.HTM 詳しい状況については,感染症情報センターの病原微生物検出情報IASRに記事が掲載 されています. IASR 1月号 北海道における多包性エキノコックス症 http://idsc.nih.go.jp/iasr/227/inx227-j.html IASR 10月号 エキノコックス症:青森県で感染ブタが検出される http://idsc.nih.go.jp/iasr/236/dj2369.html #エキノコックスなんて,大学の時に習って以来ですが,もっぱら北海道のキタキツ ネによるものだと思って興味の対象外でした.しかし,上記記事の出だしの部分を引 用すると, 北海道で激しく流行するエキノコックス症が、本州へ伝播し、流行域が拡大する可能 性が指摘されて久しい。青函トンネルの完成による人的・物的交流の増大が、例えば 汚染した牧草等の移入、終宿主動物の移動等、流行拡大要因として指摘されていた。し かし、幸いなことに、今まで断続的あるいは継続的に野生動物や家畜での疫学調査が行 われて来たが、その感染は見つかっていなかった。一方、患者の発生は、北海道以外で 報告のあった約70例のうち、青森県の感染者は21例で、そのうち9例が流行地との関連 がない、いわゆる原発例とされている。このことからも、本州、特に時空的に近接して いる青森県への伝播の可能性が最も高いと考えられていた。(以下本文) ということで,豚だけではなくて既に患者が発生していたのですね. しかも, 驚いたことに、本症の診断が確定してから死亡までは、明治、大正、昭和の生まれにか かわらずほとんど差はなく3〜5年で死亡していることが分かる。 (礼文島エキノコックス症の自然史 http://idsc.nih.go.jp/iasr/227/dj2275.html) ということで,症状が発現してからでは非常に予後不良の疾患だということを再認識 しました. #しかし,本当にキタキツネが歩いて青函トンネルを渡ってきたのかな?