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会議室:「くば小児科BBS」

北のまほろば

発言者:えの
(Date: 1999年 3月 1日 月曜日 21:47:36)


「北のまほろば」という清酒をスーパーで買いました。弘前のです。
醸造アルコールを混ぜていない、戦前は普通だったタイプのお酒で
す。一時は絶滅していましたが、最近はちらほらこういうお酒が出
ています。でも、入荷が安定しないのが難点です。他で醸造したア
ルコールを混ぜでお酒ですと出す国が他にあるのかは、良く知りま
せん。


honda tadashi さんからのコメント
(1999年 3月 1日 月曜日 22:36:36)

          <<贅沢な話>>
日本の酒(岩波新書)(東京農大の小泉先生:よだれが出る本を書く方)
 交ぜ物としては、醸造用アルコールと水飴があった。
醸造用アルコールに関しては必ずしも必ずしも不定的ではなく、味を調えるという
面もあるようです。水飴を入れるところはさすがに減った。飲むとべたべたする
これは質が非常に悪い酒。戦時統制が残っている。
大吟醸は精米度をあげて、交ぜ物は入れない。純米酒は12%ぐらい
本醸造は24%ぐらいまでアルコールを入れるようです。品質表示は出ている
 戦時統制で、酒造会社は大合併して、まだその流れの中で、質の悪い酒を造っ
た。その後、シェアの低下に危機感を持った、中小の会社が分離独立して真剣に
酒作りにはげみだしたようです。それでここ10年ぐらい急に日本酒の質が上が
った。ハチノヘでも注目すべき味が出てきています。ただ小さい会社が多く、お
っしゃるように供給が安定しないきらいはある。ただ醸造学の進歩でかなり酵母
などは純粋培養ができて、かなりのところまで味を作れるようにはなってきた
ようです。夏子の酒の世界そのもの。
 昨日、ある酒造会社で、各製造工程のお酒ののみ比べをしてきました。
無農薬コメで造った酒や、いろんなコメで作ったお酒も飲みました
皆少しずつ味が違う。悪酔いはしない。
手作りで、杜氏が変ると味も変るし、たるごとで味が違う世界。料理と同じ。
本来地酒というのは地域で作り、杜氏だけでなく、飲み助も一緒に育てていく物
で、全国展開するのは本来おかしいのかも。そんなに味の均質なお酒はおかしい。
大量生産ではなく、小量多品種で、作り手とともに味の変化を楽しむ世界ではな
いかというような、贅沢なことを考えさせられました。
作り手と知り合いで、お酒を楽しむ。作り手が変ったねえ。味が変った。
本来の物作りはそんな小さな世界で形作られる物かもしれません。また味は好み
だとつくづく思いました。最もタバコに荒れた舌では自信はありませんが。


えの さんからのコメント
(1999年 3月 2日 火曜日 20:13:20)

味を整えるというのは、眉唾ですね。第一に昔は
工業用エタノールを混ぜていた。最近でこそ、米
から醸造されたアルコールが多く使われてるいる
ようですが、それも経済性の追求が主な理由だと
思います。事実、磨いた米の磨き粉(米粉)から
醸造したものを磨いた米から作ったお酒に混ぜる
訳ですから、何をしているのか分からない。
いずれのお酒も、醸造アルコールを使わなくても
できる。


くば さんからのコメント
(1999年 3月 2日 火曜日 20:48:09)

>味を整えるというのは、眉唾ですね。第一に昔は

私はそれほど詳しくはないのですが,これは本当にそうらしいです.自分で
利き酒をしたことはないので確かめたわけではありませんが,ご近所の酒屋さ
んで出しているメールマガジンにも,最近その話題が掲載されていて初めて知
りました.味と言うよりも香りを引き立たせる役割があるようですね.

しかし,最近やたら日本酒に詳しい人が多い.

以下無断引用ですが,宣伝にもなることだから許してね>北の酒屋さん

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    ◆酒雑記+++++++++ 吟醸酒のアル添について

    読者の方からの質問がありました。

>  純米吟醸酒というものがあることは私も承知しているのですが、純米では
>ない吟醸酒もありますよね。あれがわからないのです。どうして、せっかく
>手間暇もコストもかけて精米したところに、醸造用アルコールなんか(!?)を
>加えたりするのでしょうか。シロートの目からすると、もったいないなあ、
>と思ってしまうのですが。贅を尽くすはずの吟醸酒に醸造用アルコールを加
>えるのには、どんな理由があるのか、教えていただけませんでしょうか。よ
>ろしくお願いいたします。

    これについて、少し調べてみました。

    ある蔵元からお話を聞きました。
    アル添は、増量のイメージが強くある。これは、戦後の三増酒が原因とし
  てある。
    吟醸酒のアル添は、香りの立ちかたに影響し増量目的ではない。添加には
  制限がある。また、搾る直前に添加するのだが、これは酒造りの技術の一つ
  である。

    別の蔵では、
    一般的にアルコール添加は増量が目的と思われがちですが、吟醸酒の場合
  はあくまでも香味の調整の為に最小限度使用されます。
    上槽前の醪(モロミ)にアルコール水溶液を加えれば、糖類、酸類が希釈さ
  れ低くなるから香りも低くなるように考えられますが、実際にはアル添した
  方が香りが高くなる傾向にあります。
    「吟醸酒は香りが高く、香味の調和の良い酒」「純米吟醸酒は香りがソフ
  トで味のある酒」と言えるでしょう。

    さらに、別の蔵では、
    「極端な話をさせてもらえれば、あくまでも極端な話ですが」、とことわ
  ったあと、
    「香水をご存知ですか?薔薇の香水の原液はくどくてとても良い匂いとい
  えたものでない。でも、アルコールを添加する事で世界中で愛される香水に
  なります。」と、やはり香りについてお話しいただけました。
    また、全国清酒鑑評会で金賞をとるのは殆どがアルコール添加のしてある
  「吟醸酒」であるとも付け加えてくれました。

    3蔵元の話を総合すると、いずれも『香り』について述べています。
    吟醸酒のアルコール添加量は白米重量の10%以下に定められており、通常
  1t当り100%アルコール換算50〜60L程度のようです。
    芳香成分は水に溶けにくくアルコールに溶けやすい性質で、搾る前に添加
  するのですがその量の決定などは、杜氏の感一つ、醪(モロミ)との対話の末
  の決断でしょう。生き物である【酒】と全神経を注ぐ杜氏の素晴らしい技の
  一つではないかと思います。

北の酒屋 おおまえ酒店


えの さんからのコメント
(1999年 3月 3日 水曜日 10:22:49)

>ご近所の酒屋さんで出しているメールマガジンにも,
>最近その話題が掲載されていて初めて知りました.
>味と言うよりも香りを引き立たせる役割があるよう
>ですね.

ここは難しいところですね。一番良い例が、繁盛している
小児科医が必ずしも良い小児科医じゃないことでしょうか。
売れるお酒でかつ良いお酒というのはなかなか両立しない。
つまり、飲み手の問題でしょうか。日本酒が文化ではなく
なってしまっているということでしょうか。何が本物かが
分からなくなっている。
酒屋さんは業界の営業マンですから、話し半分でしょうか。


えの さんからのコメント
(1999年 3月 3日 水曜日 10:24:25)

>最近やたら日本酒に詳しい人が多い.
何のかんの言って皆、日本酒が好きなんですよ。