\2,500が有り金の初診の患者さんが来ました。そうは言っても、体重も 落ちて、どうも本物の様なので、胸部レントゲンを撮りました。左肺尖 にコンソリデーションとエアーブロンコグラムが認められて、立派な肺 炎でした。院外処方箋を切って、有り金の半分を頂戴いたしました。安 静が第一なのですが、「会社の人は病気だと言っても信じてくれない」 と窮状を訴えました。診断書は一番安いものでも、\2,000ですので、お 足が出てしまいます。しょうがないので、メモに一筆書いてやりました。 「本来なら入院の適応である」と。 後で受け付けの職員が、「(タダなんて)そんなの(社会人として)良 くないです」と言って怒っていました。彼女たちにその働きにみあった 給料を支払ってない院長としては、耳が痛かったです。
くば さんからのコメント
( Date: 1998年 4月 28日 火曜日 17:37:26)
そういうことって,今でもあるんですね.私はあまり経験ありませんが,研修 医のときに,入院患者がいつまでも退院できないからといって夜逃げして家に 帰ってしまったことがありました.その後ちゃんと入院費を払ったかどうかは 確かめませんでしたが. 大きな病院に紹介して入院させた上で,医療費の相談窓口のようなところがあ るでしょうからそちらにおまかせしちゃった方が良いような気もしますが... うちなら(あとで徴収できるかどうかはともかく)未収金にするかな. 単なる処理の問題でしょうけど. 江野川先生は職人気質を残してますね.
江野川義文 さんからのコメント
( Date: 1998年 4月 28日 火曜日 23:55:13)
職人ですか。亡くなった父も喜んでいると思います。私を何かの職人に したかったようですので。 私が尊敬できない医局の先輩、G大のPにおさまっていますが、彼は「 医業はサービス業なんかじゃない、そんなことを言う奴は問い詰めてや る。医師は専門家なのだ」と言っているそうですが、いわば職人論です かね。私は成り行き上、サービス論を展開しているのです。男の理屈は そんな程度でしょうか。でも、医師はサービス業です。
くば さんからのコメント
( Date: 1998年 5月 2日 土曜日 21:57:52)
サービス業としての側面が大きいことはわかりますし,そのつもりでやろうと は思っているのですが...それだけではないことも確かだしわかって欲しい ですね,やっぱり. 子どもにおにぎりを食べさせながら診察室に入ってくるような母親に何を話せ ば良いのでしょう? 幸い公的病院がかかりつけの方でしたので,続きはいつ ものところで診てもらうように話して帰しましたが.土曜日は何かと罠にはま りがちで,鬼門です.