会議室:「くば小児科BBS」
こんにちは。 いつも育児の参考にさせていただいております。 お忙しいところ申し訳ないのですが、 私の疑問に答えを頂けないでしょうか? 子供は1歳なのですが、先日おたふく風邪の予防接種を受けてきました。 しかし、「おたふく風邪のワクチンの効果は20年以上」 と、新聞に書いてありました。 ということは、20年後、ワクチンの効果が切れて、 おたふく風邪にかかる可能性があるということでしょうか? 自分でもそんな先のことまで心配のし過ぎではと思うのですが、 気になってしょうがないので実際のところどうなのか 教えて頂けないでしょうか?よろしくお願い致します。
くば さんからのコメント
(2000年 11月 10日 金曜日 18:22:04)
おたふくかぜや麻疹(はしか)などの生ワクチンの場合、得られた免疫は比 較的強いので長い期間もちます。それが「20年以上」という意味で、短いの ではなく、考えられる範囲内で十分長いということです。三種混合や日本脳 炎のように追加接種は原則として必要ないんです。 ただし、年月と共に免疫が低下してきます。自然の流行が時々起きている場 合は、野生のウイルスに触れて発病しないけれども免疫が刺激されて強くな るという現象が見られます(ブースター効果という)。しかしながら、予防 接種のために流行が殆どなくてウイルスに触れる機会がないと免疫が低下し てしまい、その後に流行がおこると予防接種したのにかかったしまう場合が 出てきます。おたふくかぜの場合はあまり知られていませんが、麻疹では接 種歴のある中高生における流行がしばしば起きています。 そのために、アメリカでは入学前にMMRワクチン(おたふくも含まれてい ます)を2回接種することが義務づけられています。接種していないと入学 できない。 日本でも麻疹の2回接種は検討されていますが、それ以前の段階として幼児 への麻疹接種率が悪く流行が繰り返されているというレベルにあります。 おたふくかぜのワクチンを現段階で2回接種する必要はありませんが、上記 のように近い将来MMRの2回接種も検討されてくるものと思われます。
ねるら さんからのコメント
(2000年 11月 10日 金曜日 23:53:59)
お答えありがとうございました。 少し安心しましたが、 無菌状態というのも、ブ−スタ−効果が得られないという点では 考え物なんですね。 MMRもアメリカで行われて効果が出ているのならば、 日本も早く追随してもらいたいです。 難しい医学の話を分かりやすく説明していただきありがとうございました。